8月28日、上海社會科學院は「理性的に貿易摩擦に対処し、経済の質の高い発展を促進する」をテーマとした専門家シンポジウムを開催した。參加した専門家は、「米國が経済貿易摩擦を発動したことは自他共に損害を與えるもので、貿易戦爭を口実にして中國に圧力をかければ歴史的な過ちを犯すことになる」との見方を示した。人民日報が伝えた。
▽グローバル経済に極めて大きな不確定性をもたらした米國の一方的な経済貿易摩擦の発動
同院の院長で國家ハイレベルシンクタンク首席専門家の張道根氏は、「米國が貿易戦爭を発動した目的は、いわゆる『米國第一』戦略の下で、第二次世界大戦終了以降の國際経済秩序を再構築することにある」と述べた。
張院長の分析では、2008年の國際金融危機後、米國経済は一連の重大な構造的問題と制度的問題に直面した。しかし、米國の一部の者は自分自身の問題を考えようとせず、貿易戦爭を通じて、問題の責任を國外へ転嫁し、國內の問題を緩和しようとした。このアプローチはそれ自體が誤りである。米國は経済貿易摩擦を発動し、グローバル経済に極めて大きな不確定性をもたらし、マイナスの効果を引き起こしたという。
データをみると、経済貿易摩擦は大きな破壊性をもたらした。世界の國內総生産(GDP)成長率はすでに目に見えて低下し、製造業でその傾向が最も顕著だ。米國経済も経済貿易摩擦のエスカレートがもたらした影響から脫卻できておらず、目下、米國では消費者物価や生産コストが上昇し、石炭、鉄鋼といった大口商品の鉄道輸送量は減少し、トラック貨物輸送指數は7ヶ月あまり連続で低下した。
▽グローバル化プロセスで巨大な利益を獲得した米國
同院世界経済研究所の張幼文研究員は、「貿易不均衡を理由に経済貿易摩擦を発動したことは、世界の経済學理論の中に根拠がない。中米両國の企業は『こちらは売りたい、そちらは買いたい』という関係であり、最終的に売買には差があって貿易赤字が形成される。これは市場が決定することだ」と述べた。
復旦大學経済學院の袁志剛教授は、「1980年代に始まったグローバル化の最大の特徴は多國籍企業が主要な媒介役として、産業チェーンを世界的に配置し、グローバル産業チェーンを形成することにある。これはグローバルバリューチェーンとも呼ばれる。このようなプロセスはまさしく中國の改革開放と対応するものであり、生産要素の配置効率を向上させた」との見方を示した。
袁教授は、「こうしたプロセスの中で、米國は実は巨大な利益を得てきた。米ドルは世界に通用する通貨であり、貿易黒字の國はより多くの米ドル、より多くの外貨準備高を持つことになり、そうして米ドルの純流出という狀況が形成される。各國の外貨準備高が多くなればなるほど、米國は輸入を満喫するのであり、これは赤字の通貨を発行して得られた特殊な利益だといえる」と続けた。