また複數のシンボル的プロジェクトがここ1年の間に決まっている。米最大の石油會社エクソンモービルは100億ドル(1ドルは約106.0円)を出資して広東省で大型獨資石油化學プロジェクトの建設を決定した。テスラの上海ギガファクトリー3は今年1月に著工し、工事は順調に進んでおり、年內に稼働して生産がスタートする見込みだ。フォードは今後5年間、中國に114億ドルを投入して研究開発を進め、中國人消費者のニーズに応えるとしている。
米調査會社ロジウム?グループのデータでは、今年上半期に米國企業の対中投資額は68億ドルに上り、過去2年間の同期の平均値より1.5%増加した。米國企業はまさに「足による投票」をしており、投資規模は情勢とは逆に拡大している。全米商工會議所(USCC)のブライアント副會長が述べたように、「米企業に14億人の消費者を擁する巨大市場を無視するよう求めるべきではない」。
こうした背景の中で、USCBCのクレイグ?アレン會長は貿易が米企業にもたらす潛在的なマイナス影響に強い懸念を示しつつ、「市場シェアを失うことは簡単だが、取り戻すことは難しい。米中両國政府が交渉のテーブルに戻ることが目下の急務だ」と述べた。
▽離れられない:中國市場は外資系企業により多くのチャンスを提供
改革開放が絶えず推進されるのにともない、ビジネス環境が徐々に改善され、外資系企業を引き寄せる中國の「磁場効果」が日に日に強まりつつある。
中國銀行保険監督管理委員會の郭樹清主席はさきに、「米國の輸入企業と多國籍企業の手の中にある貿易収支の圧倒的部分は利益であり、米國の対中國物品貿易赤字は60%近くが外資系企業によって生み出されている。そのうちかなりの部分を米國資本企業が占め、こうした製品を販売することで最終的に米國企業の収入と利益が生まれる。米資本企業の海外市場売上総額の増加分のうち3分の1は中國市場によるものだ」と指摘した。
米國の大手企業や小規模企業が中國を離れられない原因は、中國の製造業企業が供給チェーンと産業チェーンにおいて高い生産能力を備えていること、米國の大量のニーズを満たしていること、また品質を保証する能力があることなどだ。
中國は開放を促進することを金融安定の切り札とし、米國企業を含む外資系企業により多くのチャンスを提供してきた。