最近、次から次へと関稅の圧力を中國にかけている米國だが、その長々とした追加関稅対象製品リストには、中國のレアアース(希土類)が加わったことは一度もない。レアアースはなぜ戦略資源になったのだろうか。レアース問題で米國、日本、歐州はこれまでどのように中國を「包囲」してきたのだろうか。新華網が伝えた。
▽「獨走狀態」の中國レアアース
多くの人はレアアースをあまりよく知らないし、レアアースがなぜ石油に匹敵する戦略資源になったかを知らないと思われる。
簡単に言えば、レアアースとは典型的な金屬元素のグループであり、珍重される理由としては、埋蔵量が少なく、再生が不可能であり、分離?精製?加工の難度が高いからだけではなく、さらには農業、工業、軍事などの産業に幅広く応用され、新材料製造における重要なよりどころであり、また最先端の國防技術開発に関わるカギとなる資源であり「萬能の土」と呼ばれているからだ。
レアアースがなければ世界はどうなるだろう。2009年9月28日付の米國紙「ウォール?ストリート?ジャーナル」がこの問いに答えを出した。レアアースがなければ、テレビのモニター、パソコンのハードディスク、光ケーブル、デジタルカメラ、大半の醫療用畫像機器がなくなってしまう。レアアースには強い磁石を作り出せる元素があり、この強い磁石が米國國防システムのストックする弾道ミサイル誘導システム全體に関わる極めて重要な要素であることを知る人は少ない。レアアースがなければ宇宙船の打ち上げや衛星に別れを告げなければならないし、世界の石油精製システムも稼働停止になる。レアースは未來の人々がより重視することになる戦略資源だ。
「中東には石油があり、中國にはレアアースがある」。この言葉から中國レアアース資源の重要さがうかがえる。
中國のレアアース鉱山の埋蔵量は世界一で「獨走狀態」にある。15年の埋蔵量は5500萬トンで、世界全體の42.3%を占め、どっしりと世界一の座に座った。中國は17種類あるレアアースをすべて提供できる唯一の國でもあり、特に軍事用途が突出した重レアアース(重希土類)でより多くのシェアをもつ。中國の白雲鄂博鉱山は世界最大のレアアース鉱山であり、中國レアアース資源埋蔵量の90%以上がここにあり、現地は「レアアースの都」と呼ばれる。
中國のレアアース埋蔵量は多いが、「獨占」狀態にはほど遠い。とはいえ15年の世界レアアース生産量は12萬トンで、中國の寄與分は10萬5千トンに上り、世界シェアは87.5%に達した。
探査が十分に行われていない狀況の中でも、世界のレアアース資源の確認埋蔵量は1千年分の採掘をまかなえるほどといい、世界規模でみるとレアアースはそれほど不足していないことがわかる。中國の世界レアアース市場への影響力は、埋蔵量でなく生産量により多く集中して現れている。