「貿易摩擦によって世界は責任感ある中國と獨斷専行の米國を目の當たりにした」。エジプト紙アル?アハラムの古參記者によるこの指摘は意味深い。(人民日報「鐘聲」國際論評)
近年、米國の一部政治屋は「米國第一」に両目を遮られ、保護貿易主義と一國主義を大々的に実行し、関稅圧力をほしいままにかけ、中米両國民及び全世界の人々の強い反対を全く顧みずにいる。彼らは貿易赤字を米國に対する「経済的略奪」と主張し、再三再四各國に貿易紛爭を仕掛ける。「他國の科學技術発展は米國を損なう」との謬論を大聲で唱え、頻繁に國の力を使って他國の企業を圧迫し、果ては「集団を組んで」封じ込めるよう同盟國を脅迫することも辭さない。國際貿易ルールのために「米國が損をしている」と主張し、ほしいままに多角的貿易體制に盾突き、これを破壊する。亂暴で事の是非をわきまえぬ、わがままで勝手なこうした行為は、他國の正當な発展権を圧迫するものであり、國際ルールを踏みにじるものでもある。
今日の世界は経済のグローバル化と世界の多極化が深く進行する世界であり、各國の利益が日増しに融合し、運命を共にする世界でもある。米國の一部政治屋は歴史の潮流を無視し、反対の聲を無視するのは、思い通りにルールを制定する「主審」になりたいのであり、ルールを遵守する「選手」にはなりたくないからほかならない。自國のみが勝つことを望み、各國が共に発展することは望まないのだ。そこで、「米國を再び偉大にする」を米國の利益を他國の正當な利益や國際社會の共通利益よりも上に置く「正當な理由」とし、「貿易はゼロサム」を國際ルールと國際體制に対して「都合が良ければ利用し、都合が悪ければ離脫し、破壊する」堂々たる口実としているのだ。このような橫暴と理不盡に、まだ何の正義があると言うのか?
このような獨斷専行は米國內でさえも各界の識者からの強い非難と反対に遭っている。米ブルッキングス研究所のロバート?ケーガン上席フェローは「一部の政治屋は私利のために國際社會を搾り盡くし、70數年來の國際秩序を急速に粉砕し、國際的混亂を防止するために築かれてきた信頼と共通の使命感を破壊している」と批判した。少し前にアディダス、ナイキ、プーマ及び米國の靴関連メーカー?小売企業170社余りが米政府宛の共同書簡で、中國の靴関連製品に対する追加関稅は米國の消費者、靴製造企業、経済に壊滅的結末をもたらすと指摘した。だが、米國のこうした政治屋は「貿易は有用だが、関稅は効果的でない」という聲の高まりを全く顧みず、「経済的に困難な時期にある」との自國農家のやむを得ぬ訴えを全く顧みず、依然として自分の過ちを認めず頑固に押し通している。
ひたすらわがままを通して決まりを亂すことで、米國自身の國際的な信望とイメージが傷つき、世界各國の大きな協力環境も妨害され、破壊されている。トゥスクEU大統領は「貿易は必要だが、戦爭は不要だ」と米政府に厳しく警告した。米國のこうした政治屋は、華為技術(ファーウェイ)を標的にする米國の禁止令に対して、直ちに歐州各國のリーダーが「ファーウェイ排除には全く先見の明がない。歐州諸國は米國に倣うつもりはない」と明確に表明したのはなぜなのか、考えてみるべきではないのか。正しければ支持者は多く、間違っていれば支持者は少ない。経済のグローバル化という大きな流れを保護主義で押し止めようとする挙動は、人々の支持を得られぬ運命にある。世界の多極化という大勢を一國主義で押し止めようとする行為は、徒労に終わる運命にある。米誌アトランティック?マンスリーは「世界のイノベーションから中國を排除しようとする努力は、最終的に米國を孤立させるだけだ」と指摘した。
耳を傾けることを學ぶのは美徳であり、知恵でもある。われわれは米國のこうした政治屋に対して、米國社會各界の聲に耳を傾け、世界各國の批判と警告に耳を傾け、早く目を覚まし、自らの過ちを悟って正しい道に立ち返るよう忠告する。誤った道を最後まで突き進み、壁にぶつかって初めて後悔するようであってはならない。(編集NA)
「人民網日本語版」2019年5月30日