中國科學技術大學が明らかにしたところによると、同校ミクロスケール物質科學國家研究センター?生命科學學院の周叢照教授と陳宇星教授のチームは長期間に及ぶ努力の結果、巣湖の藻類ブルームの天敵、噬藻體の組立メカニズムを発見した。この研究成果は學術誌(電子版)に掲載されている。科技日報が伝えた。
藍藻類は地球上で最も古い生物の一つで、光合成により生物圏の炭素?窒素循環の調整に參加できる。だが富栄養化された水において、藍藻類の過度な繁殖は藻類ブルームを引き起こし、深刻な経済?社會問題をもたらす。中國で面積が5番目の淡水湖である巣湖では毎年、深刻な藻類ブルームが発生する。現在はこれを防止する効果的な方法がない。
噬藻體は藍藻類に感染するウイルスで、藍藻類の密度と季節的分布を調整できる。これは藻類ブルームに効果的に干渉する潛在的な生物手段とされている。巣湖の藍藻類の生態分布、感染メカニズム、藍藻類の共進化関係を研究するため、科學研究者は巣湖から新しい長尾噬藻體「Mic1」を分離した。これは巣湖の藻類ブルームに感染する優勢藻種ミクロキスティスだ。Mic1の頭の大きさは約88ナノメートル、尾の長さは約400ナノメートル。研究者は冷凍電子顕微鏡技術によりMic1の頭部の近原子分解能構造を解析した。これは初の淡水噬藻體の三次元構造だ。この構造はMic1の頭部組立メカニズムをはっきり示した。構造の分析により、Mic1の頭部がカプシドタンパク質の「gp40」と裝飾タンパク質「gp47」によって形成される二十面體構造であることがわかった。「gp40」は典型的なファージの折りたたみモデル「HK97-like」を採用し、五量體と六量體を形成する。組み物構造のさらなる組み立てにより二十面體の頭部を形成する。裝飾タンパク質「gp47」は新しい折りたたみモデルを採用し、二十面體の二次軸付近に固定され、頭部の安定性をさらに強化している。
同研究は噬藻體の組立メカニズムを明らかにした。今後の噬藻體の改造及び人工合成、藻類ブルームへの干渉に理論の指導を提供した。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年8月14日