四川省公安庁誘拐対策処と事件が発生した県?市の公安當局はこの10年間、誘拐されて行方が分からなくなった10人の子供を探し続けてきた。蔣処長は、「訪問調査やモンタージュ寫真の公開、ネットワーク公告など試せることは全て試してみたが、事件発生から時間が経ちすぎており、仲介人の手掛かりもなく、事件は迷宮入りになるかと思われていた」と話した。
しかし2017年12月に転機が訪れた。公安部刑偵局の陳士渠?副局長が調査のためテンセントを訪れた際に、優図実験室の経年変化に対応した顔認証技術のことを知り、この技術に関する情報を四川警察に伝えたのだ。
李氏は、「難易度は非常に高く、実はその當時、関係者も自信はなかったが、あのぶ厚い油紙に包まれた寫真を見て、どこまでも努力していく決心がついた」と當時を振り返った。
その當時、10年以上も前に失蹤した子供を経年変化に対応した顔認識技術で探し出したケースは、世界的に見ても皆無だった。経年変化に対応した顔認証技術については、優図顔認証計算式の責任者である李博士が同僚とともに、0歳から18歳までの子供の顔の成長?変化に対するモデリング?シミュレーションを行い、學習可能な顔のサンプルを大量に生成した。その後、ディープニューラルネットワークのアルゴリズム用いて、これらの人の顔に成長過程で生じる複雑な変化を學習させた。
まさに「努力は決して人を裏切らない」という言葉があるように、約半年間に及ぶ努力と夜を徹した作業を繰り返したことで、ついに大きなブレイクスルーを実現した。「DDL(データ駆動型學習)」と呼ばれるアルゴリズムによる経年変化に対応した顔認識の精確率は96%以上に達した。
間もなく、優図実験室チームは、彼らのモデルを用いて警察に提供された膨大な量のデータに対する第1回のマッチイングを実施し、警察は行方不明の子供たちそれぞれに最も似ていた順位トップ5人まで絞り、最終的にオフラインでの確認作業を行った。
その結果が、本文冒頭のくだりとなった。警察はDNA鑑定を経て、この第1回のマッチイングで誘拐された4人の子供の所在を突き止めることに成功し、その4人のうち3人の精確率は最高だった。
蔣所長にとって最も印象深かったことは、第1回のマッチイングで見つかった4人の子供の中には生後わずか數ヶ月の寫真しかなかった子供が含まれていたことだった。彼女は、「科學技術の力は偉大すぎる」と感嘆を禁じえなかった。
引き続きこの技術を用いてさらに3人の子供が見つかった。當時四川省で相次ぎ連れ去られた10人の子供のうち、現在まですでに7人が見つかっている。公安部刑偵局の陳副局長は、「誘拐された子供の多くが無事見つかったことは、誘拐されて長年が経過した子供を探す上でAIが重要な役割を擔うことができる事実を裏づけている。経年変化に対応した顔認証技術は、DNA鑑定に続き、公安機関が誘拐された子供を捜索する上で、極めて有効な方法を提供するものであり、大きな『一里塚的意味合い』を備えている」とコメントした。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年6月17日