外國人が體験してみたい日本伝統文化といえば、なんといっても「著物の著付け體験」。これは歐米圏に限らず、中國人にとっても同じ。今回は、「きものコンサルタント」として中國で文化交流活動や映畫作品の衣裝指導などを通して、日本伝統の衣文化で『著るアート』である著物の魅力を発信している五十嵐綾子さんをご紹介する。(北京滯在歴7年)
北京へ來たきっかけは中國人男性との結婚
中國人男性と日本で結婚した五十嵐さんは、2009年に夫の転勤で北京に移り、新生活をスタート。中國人と結婚した日本人妻の集まりである「和華の會」に入會し、そこでの誘いをきっかけに、北京で著物の著付け教えるようになった。
日本では子どもの頃からの夢だったピアノの先生をしながら、著付けの仕事をする母親を手伝い、著付けや著付けレッスン、テレビの衣裝指導などの仕事をしていたという。そんな五十嵐さんは北京でもピアノ講師を続けながら、著物の著付けレッスンや日本文化に関する様々なイベントを開催している。著物の著付けに関しては、母親の仕事の関係で、幼い時から著物に囲まれた環境で育ち、物心ついた時には、著物を著ることができるようになっていたのだという。
季節感あふれる文化交流イベント
文化交流イベントは現在年に3-4回開催しており、生花の講師とともに季節に合わせたテーマで講演をしている。主な參加者は日本文化好きな中國人。APECの際には、內閣総理大臣安倍晉三夫人の安倍昭恵氏がイベントを見學するなど、その注目度も高い。
前回のイベントでは、日本の正月をテーマに、正月の風習や浴衣の著付け體験、風呂敷の包み方の講演をした。參加者は五十嵐さんが作成したパワーポイントの資料で日本の正月のしきたりに関して學んだ後、実際に著物の著付け體験を行った。浴衣は通常夏に著る著物だが、比較的簡単に著付けができるため、著付けイベントの際は浴衣を使用しているという。ただ浴衣では季節感が足りないので、振袖や七五三、袴の著付けの説明を取り入れるなど工夫を凝らしている。參加者たちは自分で著付けをした浴衣姿に満足した様子で、互いの寫真を撮り合っていたほか、風呂敷の用途や包み方についても多くの質問が挙がっていた。
著物の魅力とは
五十嵐さんにとっての著物の魅力を問うと、「今日の著物は母が數十年前に著ていたもので、帯は著付けの先生である大先輩が、ピアノを教えている自分にプレゼントして下さったもの」とその日、身に著けて來た薄桃色の著物を例に、日本伝統の衣文化である著物の魅力はしっかりと手入れや管理をすることで、何十年も著続けることができるため、次の代へどんどん受け継がれていく點にあると答えてくれた。「ずっと繋がってる感じがいつもしている」というコメントからも五十嵐さんの著物を大切に思う気持ちが伝わってくる。また著物は様々な柄や素材、小物等とのコーディネートで、個性を楽しめるほか、長方形の布をつなぎ合わせて作っている著物は、古くなっても、クッションカバーなどにリメイクできるなど、洋服にはない魅力が數多くあるという。
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