2021年3月18日、東呉1千キロボルト超高圧受変電設備で、江蘇省送変電有限公司の施工作業員が設備と回線の點検修理を行っていた。同プロジェクトは晥電東送(安徽省淮南地方の電力を上海に送る)と西電東送(西部地域で発電した電気を東部地域に送電)プロジェクトの重要な要であり、毎年、外部電力の利用を160億キロワット時増やすことができ、江蘇地域の石炭消費量を670萬トン、CO2排出量を1340萬トン、それぞれ減らすことができる。(撮影?史俊。寫真提供は人民図片)
中國は二酸化炭素(CO2)排出量ピークアウトとカーボンニュートラルの目標を打ち出した後、數多くの改革措置を次々に実施している。今年は中國CO2排出権取引市場がオンライン取引を開始する。簡単に言えば、政府関係當局が規定の計算方法に基づいて企業にCO2排出の割當量を分配する。企業は排出量が割當量を超えた場合は、同市場で超えた分の排出割當量を購入する必要があり、割當量を超えなかった場合は、余った分を市場で売って利益を上げてもよいというものだ。この市場メカニズムが、企業の主體的な排出削減をよりよく促進するとみられる。こうして、新しい職業「CO2排出管理員」が機運に乗じて誕生した。
朝8時、安全帽とマスクを著用し、國家エネルギー集団竜源(北京)炭素資産管理技術有限公司のCO2排出管理員の胡永飛さんに従って、江蘇省の火力発電所に足を踏み入れた。胡さんは、「CO2排出量を正確に計算するには、化學分析グループによる石炭特性化學分析のオリジナル記録、燃料部門が提供した石炭燃料の購入?売卻?ストックの記録、運営部門が提供した生産月報、財務部が提供した調達伝票などが必要だ。CO2排出の管理は非常に細かい仕事であり、各部門の生産?運営狀況をしっかり把握しなければならない。データの多くは排出量に関わるもので、企業の収益に直接影響する。毎月の、毎日のデータを一つも漏らすわけにはいかなず、細かい點にまで注意が必要だ」と説明した。
認められるCO2排出管理員になるには、CO2の排出や取引などをめぐる政策を熟知しているだけでなく、熱力學、熱エネルギー、電力工學などの専門的知識を學ぶ必要もあり、企業のシステム研修を受けた後、少なくとも1年間ほど鍛えなければ、単獨的に業務を擔當することはできない。
胡さんは歩調を速めて工場に入り、モニタリング設備の狀況をチェックした。ごうごうと音を立てる発電ユニットの側を通り過ぎ、電子デバイスルームに入ると、電力計の番號、精度、発電量を細かく記録した。それから燃料コントロールセンターに入り、石炭を運ぶベルトスケールの數値をチェックし、ボイラーオイルタンクエリアに入り、流量計をチェックし、燃料オイルのストックを計算した……胡さんはあちこち飛び回り、上の階と下の階を行き來して、スマートフォンの歩數計は勢いよく上昇し、すぐに1萬歩を超えた。「CO2排出管理も體力のいる仕事だ」という。
胡さんがさまざまなデータをコンピューターに打ち込むと、火力発電所の電力供給におけるCO2排出強度が瞬く間に算出された。1千兆ワットの超々臨界直接復水器ユニットの、業界で定められた通常の炭素排出強度が1兆ワット時當たり約0.8トンで、同発電所の排出強度がこれを下回っており、発電所の割當量が余ったことになる。これは、將來的に市場で売卻して収益を上げることが可能であることを意味する。胡さんは、「石炭燃焼の化學分析のプロセスにより、企業は石炭燃焼における元素の実測を厳格に行っている。一部の発電所はこの作業を重視せず、データが基準を超えてしまい、排出強度が30%高くなる可能性がある。関連企業はCO2排出問題を重視し、実測データの正確性を確保すべきだ。そうでなければ炭素排出のために高いコストを支払うことになる」と述べた。
胡さんは次の一週間、詳しい分析報告を作成し、企業の戦略調整、省エネ?汚染物質排出削減のために科學的な參考を提供するという。一日中働きづめになりながらも、胡さんはなおやる気満々だ。「CO2排出量ピークアウトとカーボンニュートラルという大きな目標を達成するには、排出量データの正確な収集が基礎だ。自分たち管理員がいれば、基礎は著実に固められる。グリーン発展の歩みもさらに著実に進めることができる」と語った。