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広西壯(チワン)族自治區柳州市の名物グルメ?タニシ麺は、その獨特の臭みが特徴で、中國のネット上で人気のグルメとなっている。ところが、最近発表された「國家重點保護野生動物リスト(意見公募用)」の國家二級保護動物リストに「タニシ」の名前が新たに加わっていたため、タニシ麺の熱狂的なファンらは、「今後もちゃんとタニシ麺を食べられるのだろうか」、「今後、塩漬けタケノコしか入っていないタニシ麺になってしまうのだろうか」と不安を募らせている。
タニシ麺に使われるタニシと保護されるタニシは別物
南昌大學生物技術學部の呉小平教授によると、広西チワン族自治區やその他の地域で食べられているタニシと、今回保護リストに入れられたタニシは全く別の種類という。
呉教授によると、今回の保護リストに入ったタニシの學名は「Margarya melanioides(コブタニシ)」で、タニシ科、タニシ屬。コブのある殻が特徴的で、繁殖が難しく、主に、雲南省の高原にある■池(■はさんずいに真)や▲海(▲はさんずいに耳)、◆碧湖(◆は草かんむりに此)などの湖に生息している。分布範囲は狹く、その他の地域には生息していない。「人間の活動や汚染などが原因で、コブタニシは絶滅の危機に瀕しており、生産量は極めて少ないため、保護が必要」という。
広西チワン族自治區のタニシ麺に使われているタニシや、中國の一部の地域で食用となっているタニシについて、呉教授は、「タニシというのは俗稱で、実際にはBellamya屬、中國名は『環●螺(●は木へんに凌のつくり)』だ。この種のタニシは広く分布し、個體數も多く、一般的な湖や河川、池、用水路、田んぼなどに生息している」と説明する。
中國で広く食用にされているタニシが將來「國家重點保護野生動物リスト」入りするかについて、呉教授は、「環●螺は広く分布しており、個體數も非常に多いため、主要な河川が極度に汚染されない限り、絶滅の危機に瀕することはない。そのため、保護リスト入りする可能性はほとんどないだろう」との見方を示す。
養殖タニシが主流へ
ただ、中國人が普段食用にしている「環●螺」は広く分布し、個體數が多いものの、呉教授が「その資源利用は、持続可能な利用の原則を堅持しなければならない」と注意を呼び掛けていることは注目に値する。
公開されている資料によると、柳州市のタニシ麺で使われている環●螺は主に、現地、またはその他の省の天然水域で捕獲されたもので、タニシの捕獲産業チェーンには、大きいものも小さいものも全て捕獲するという亂獲行為が存在している。加えて、近年は捕獲を禁止する地域も増えているため、タニシの供給に問題が発生している。近年、タニシ麺の産業が徐々に拡大するにつれて、タニシの需要も一層高まっている。公開されている資料によると、2022年には、柳州市のタニシ料理に必要なタニシの原料は4萬トンに達すると予測されており、タニシの供給は今後ますます逼迫していくと予想されている。
こうした狀況を受け、柳州市のタニシ養殖産業が臺頭している。19年1月から、柳州市は、4年かけて、タニシ養殖をめぐる一連のカギとなる技術を研究するプロジェクトを実施しており、同市のタニシ麺産業において、養殖のタニシが野生のタニシに取って代わるようになることが期待されている。
ある農業専門家は、「野生のタニシの生長環境には不確実性が存在しており、病原菌や基準値を超える重金屬含量などの潛在リスクがある。食品の安全という観點から見ると、養殖のタニシのほうが、野生のタニシより安全だ」との見方を示している。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年7月1日