世界保健機関(WHO)は先日、新型コロナウイルスの感染による肺炎の拡大を「國際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」(PHEIC)に該當すると宣言した。これに先立ち、すでに一部の國々は自國民の中國からの退避を発表しており、中國発著便の運航を停止または減らした外國の航空會社もある。この突然の変化を前に、我々は外交面でどのように積極的に対処すべきだろうか。(文:張貴洪?復旦大學國連?國際組織研究センター長。環球時報掲載)
突如発生した新型コロナウイルスの感染拡大によって、中國は中央から地方まで、政府から社會までガバナンスのシステムと能力が大きく試されているだけでなく、緊急事態時の対応を始めとする外交が試されてもいる。いわゆる緊急事態への外交対応とは、突発的な事態や危機が発生した際に繰り広げる外交だ。
第1に、國際社會の理解と支持をさらに得る。武漢で新型コロナウイルスへの感染が発生した後に、中國政府の外交當局などが速やかに関係國と國際組織に狀況を通知し、ウイルスの遺伝子配列などの情報を共有したことが、他國による迅速な診斷と保護措置の助けとなり、國際的な感染拡大を抑える結果となった。中國はまた、各國の専門家を率いて感染狀況を評価し、専門的な技術支援を行うようWHOを中國に招待もした。中國は國際社會からの様々な支援を歓迎し、これに感謝してもいる。
我々はまた、今回の感染狀況の原因と特徴、現在中國政府の講じている措置と行動、その進展と困難、および次の段階で考えうる事態の推移と見通しなどを、在外機関や國際メディアを通じてより客観的かつ専門的に説明し、紹介することも重視しなければならない。國外の人々に感染狀況を速やかに知らせることで、様々な懸念や疑問に積極的に対応し、中國の感染癥対策の決意と行動に対する國際社會の理解と支持を得ることもできる。
第2に、國際調整?協力を積極的に実施する。WHOの決定は客観的に言って、短期的には中國の経済?社會発展にマイナス要因を生じさせ、中國の國際的イメージに一定の影響を與えるかもしれない。だがその一方で、我々が國際的な援助と支持をさらに勝ち取り、國際社會が感染癥対策で協調的行動を取るうえでプラスだ。