中國市場で周辺化されていたトヨタの高級車種「クラウン」が、安全性に問題があったことから再び人々の視界に入ってきた。國家市場監督管理総局のサイトが14日に明らかにしたところによると、車両製造過程に問題があったため、天津一汽豊田汽車有限公司はクラウン13萬臺あまりをリコールするという。業界関係者は、「製造プロセスの問題により製品に欠陥が生じ、最終的に大規模なリコールに至る事例は決して多くはない。こうした狀況が起きてしまうと、関連の車種にとってもトヨタブランドにとっても、大きな試練になることは間違いない」と話す。「北京商報」が伝えた。
同総局が発表したリコールの公告によると、一汽トヨタは「欠陥自動車製品リコール管理條例」と「欠陥自動車製品リコール管理條例実施方法」の要求を踏まえ、2015年1月22日から19年1月23日までの間に製造されたクラウン計約13萬300臺のリコールを即日行うことを決定した。
今回のリコール対象のクラウンは、製造過程で作業上の注意を遵守しなかったため、リアバンパーレインフォースメントの取り付けが適切に行われず欠陥が生じる可能性があり、同部品が紛失する可能性がある。車両の後部が衝突した場合、極端な狀況では乗員がけがをするリスクが高まり、安全性に問題がある。一汽トヨタは対象車のリアバンパーレインフォースメントが正しく取り付けられているか、欠陥がないかを検査し、問題があれば取り付けをし直し、安全性に問題がないようにするという。
公告によれば、今回のリコール対象のクラウンは2015年エディションと2017年エディションの2タイプで、17年エディションが多くを占めて計約8萬9700臺に達し、15年エディションは計約4萬600臺に達する。これまでに対象車による欠陥事例の報告と苦情が計2件寄せられたほか、修理メンテナンスや賠償が行われた事例も2件あったという。
中國市場に最も早く進出した高級輸入乗用車のクラウンは、中國で40年を超える販売の歴史がある。アウディの「A6」と中國高級乗用車市場を「共同支配」していたこともある。しかし最近は売上が伸び悩み、データをみると、18年は約3萬6400臺で一汽トヨタの全売上に占める割合は5.07%だった。今年1-5月はさらに減少して約7600萬臺になり、同54.69%減少し、同割合は2.4%にとどまった。
クラウンは18年に生産停止の情報が流れたが、一汽トヨタはこれを否定。19年になり、生産を停止してはいないものの、一汽トヨタの車両シリーズにおけるクラウンの位置づけはますます低下している。3月には一汽トヨタの旗艦車種「アヴァロン」(中國名?亜州竜)が発売された。アヴァロンの市場での位置づけはB+クラスで、クラウンの後継車であり、トヨタ「カムリ」とレクサス「ES」との間の市場の空白を埋めるものとみられている。