第三の理由としては、政権基盤を強化し、長期政権の実現に備えるという意図が考えられる。安倍內閣の支持率は発足當時から大きく下がり、45%から54%にとどまっている。安倍首相やその周辺からは、少なくとも6年以上の長期政権を期待する聲があるが、不景気と閣僚スキャンダルの続出によって、このままの安倍內閣では支持率が下がるばかりであることが予想される。支持率が30%以下の「危険水域」に入れば、野黨の倒閣の機運も高まる。これを避けるにはすばやい措置が必要で、解散するなら早い方がよい。支持率の安定している今に乗じて解散総選挙を行えば、野黨の足並みは亂れ、野黨は十分な準備期間なしに総選挙に突入することになる。総選挙で安倍首相の自民黨が勝てば、安倍首相の指導力と求心力は高まり、長期政権の実現に堅固な政治的土臺を與えることになる。
日本の政界はまもなく選挙シーズンに全面突入することになるが、総選挙にはいくつかの見所がある。
第一に、今回の衆院選挙は、沖縄駐留米軍の普天間基地の移設問題が焦點の一つとなる。沖縄県知事選では、宜野灣市の米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に反対する無黨派新人の翁長雄志?前那覇市長が、移設手続きを進めて三選をねらった現職?仲井真弘多氏らを破り、新沖縄県知事に選ばれた。與黨自民黨が強く押していた仲井真候補の落選は衆院選にも影響を與える。ごたごたが続いていた普天間基地移設問題は、有権者の注目も高く、翁長知事は総選挙でも基地問題をアピールし、普天間基地移設問題の決著をはかるものと見られる。基地移設問題は、根本的には日米軍事同盟関係にかかわる問題であり、総選挙での基地議論を米國がいかにとらえ、普天間基地移設を日米がいかに処理するかが、大きな見所の一つとなる。
第二に、今回の衆院選挙が日本の未來の政局に與える影響。日本の政界では現在、自民黨が優位を占めており、予想外の事態が起こらなければ、安倍首相の自民黨が勝利する可能性が高い。ただ自民黨と野黨の得票率の分布は注目に値する。自民黨が野黨を大きく引き離して勝つのか、自民黨と野黨の議席數の差はそれほど開かないのか。日本の未來の政局はいかなる動きを見せるか?!弗荪攻劝脖稌r代」の幕開けとなるとすれば、自民黨內で誰が後継者となるのか。注目すべき點はたくさんある。
第三に、今回の衆院選挙は、安倍首相の進める「集団的自衛権の解禁」も焦點の一つとなり、軍備の拡大や強化に向かう安倍首相の路線を試す機會となる。選挙の過程で、各政黨と有権者が集団的自衛権解禁という敏感な問題をいかに議論し、將來の憲法改正の問題にいかに取り組むかが見所となる。また総選挙後、安倍首相が再任した場合、軍備の拡大や強化の路線がどう変化し、どう継続していくかも注目點と言える。(文:厖中鵬?中國社會科學院日本研究所研究者)(編集MA)
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「人民網日本語版」2014年11月19日