中國の大手求人サイト「智聯招聘」はこのほど、「2014年大學卒業予定者の求職力調査?研究」の結果を発表。今年の大學卒業予定者の3大都市(北京?上海?広州)での就職に対する「あこがれ」は薄れていることが明らかになった。最も人気がある職業はIT、金融、政府だったのに対し、最も不人気なポジションは、カスタマーサービス、営業、生産加工だった。また、希望の月給は平均4357元(約7萬1900円)だったのに対し、実際の契約額は平均3945元(約6萬5千円)だった。多くのネットユーザーが、「足を引っ張ってしまった」と肩を落としている。広州日報が報じた。
同調査は、各地各級の大専(3年制、短大に相當)、本科(4年制大學)、修士課程、博士課程を今年卒業する予定の學生5萬2461人を対象に実施された。
北京、上海、広州の人気が下降
「希望の就職地と実際の就職地」に関する調査では、回答者の41.3%が「北京、上海、広州」、54.2%が「省都」、4.5%が「その他」を希望地とした。13年、「北京、上海、広州」を選んだ學生の割合は今年より1.5ポイント高い42.8%だった。同3都市に対する大學生のあこがれが薄れていることを示している。
一方、実際の就職地では、33.3%が「北京、上海、広州」と答え、希望者の割合の41.3%を大きく下回った。一方、各省の「省都」に就職する學生の割合は57.0%で、希望者の割合をやや上回った。また、「その他」の割合も希望者數より高い9.7%だった。
専門家は、北京、上海、広州を回避する動きは、在職中の人々だけでなく、卒業予定者の間でも広がっていると分析している。この動きにより、同3都市の熾烈な競爭が緩和すると共に、他の都市の企業に優秀な大卒者が流れることになり、「大卒者」というヒューマンリソースの均等な配置につながると期待されている。
人気の業界はIT、金融、政府
「希望する業界」に関する調査で、最も人気だったのは、上から順に「IT業」、「金融」、「政府機構」だった。一方、実際に就職した業界で最も多かったのは、上から順に「IT業」、「製造業」、「貿易?小売業」だった。政府機構や事業単位(國家が社會公益目的のため、國家機関により運営あるいはその他組織が國有資産を利用し運営するもので、教育、科學技術、文化、衛生などの活動に従事する社會サービス組織)は、依然として食いはぐれのない職業と見られているのに対し、製造業はあまり人気がないことが分かる。
同調査によると、卒業予定者に最も人気があるのは國有企業で、以下、三資企業(合弁、合作、獨資の外資系)、事業単位、國家機関、民営企業だった。一方、実際に契約した企業で最も多かったのは民営企業。以下、三資企業、國有企業、事業単位、國家機関の順だった。希望と実際の狀況に大きな差があるのは國家機関と民営企業だ。専門家は、「親方日の丸」的思想が中國で今も存在し、大卒者の間での國家機関人気は、今後も続くと見ている。