陝西省洋県を流れる湑水河の上空で繰り広げられた「國寶どうしの攻防戦」(撮影?鄒義超)。
「5~6年前から鳥を撮影しているが、ハヤブサがトキを撃う場面を寫したのは今回が初めてで、本當に貴重な畫像だ」。22日晝、鄒義超さんが鳥の寫真を撮っていると、思いがけず、1羽のハヤブサがトキを撃っている場面に遭遇した。空中での追撃戦が2~3分間繰り広げられた後、可哀想なことにトキは地面に落下したという。
醫師の鄒義超さんは、寫真愛好家であり、鳥愛好家でもある。「休みの日の楽しみは、様々な鳥の寫真を撮影することで、これまでに約2百種類の鳥を撮影した。ハヤブサがハトを捕食する場面はこれまでに撮影したことがあるが、トキを撃う様子は見たことがなかった」と鄒さんは言う。
鄒さんはさらに、「ハヤブサは、川面から約150メートル離れた上空でトキに襲いかかっていた。時間は2~3分続いた。ハヤブサはかなり兇暴な性質で、トキはハヤブサに全く抵抗できなかった。そのうちに、トキの片方の翼がハヤブサのくちばしで引き裂かれ、傷ついたトキはついに川の向こう岸に落下した。すぐさまハヤブサが急降下した。距離がやや離れていたので、トキが最後にどうなったのかはわからない」と語った。
陝西省洋県を流れる湑水河の上空で繰り広げられた「國寶どうしの攻防戦」(撮影?鄒義超)。
「愛鳥家の一人として本音をいえば、ハヤブサもトキも國家保護動物であり、どちらももちろん大好きだ。我々が暮らす洋県は、トキの生息地でもあり、私はトキに対して特別深い思い入れがある。あのような狀況になり、心はトキを助けに行きたい気持ちで一杯だったが、結局は自然界の合理的な現象に介入してはならないと思い、助けに行くのを思いとどまった」と鄒さんは言う。
洋県愛鳥協會の華英會長は、「ハヤブサは體格こそ小さいが、猛禽類の仲間で、普段からスズメやキジバト、ハトを好んで襲う。國家二級保護動物に指定されており、洋県での生息數はそれほど多くない。通常、冬になると他の地域から飛來してくる。トキを撃う様子は滅多に見られない。一方のトキは溫和な性質で、攻撃されると通常は『高く飛んだ後急降下する」方法で逃げるか、人のいるところに近づいてきて助けを求めることもある。トキ自體に攻撃性はない」と説明した。
華會長はさらに、「トキは近年保護対象となっており、自身に対する優越感も比較的強い。自然界で他の動物から襲われることは、トキ自身が種として繁栄していく上である程度メリットがあると言える。繁殖期にヒナが撃われた場合はある程度介入するが、成鳥になったトキが襲われた場合については、介入しないほうがいい。これは、自然界がバランスを取るために起こっている現象であり、人間はやはり自然界のルールを尊重しなければならない」と語った。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年12月27日