シンガポール紙?聯合早報が先日掲載した楊丹旭氏の署名記事は、新型コロナウイルス感染癥との闘いにおける苦しい時期とそこからの巻き返しにおいて、強い民族主義と愛國心が中國國內でかきたてられたと指摘。中國の多くの若者が自國の體制への賛同を強めたとした。
栄夏培さん(25)は、かつて西側世論が感染拡大を中國の「チェルノブイリ?モーメント」と形容したことを覚えている。「だがその後私達は、感染拡大が西側先進國の『チェルノブイリ?モーメント』となり、彼らの深刻な問題が露呈するのを目の當たりにした」。電話取材に応じた上海出身のこの若者の語気からは自信がにじみ出ていた。
感染拡大初期の中國世論は一時的に真相を渇望し、再考する聲に溢れ、若者の愛國意識もそれに伴って揺れ動いた。數多くの中國人留學生が海外に留まっていた。感染拡大初期に米國にいた寧祖康さん(20)もその一人だ。だが中國が感染拡大を抑制し、社會と経済が回復するに従い、焦慮や疑問は薄れていった。転々とした後、寧さんは昨年7月に帰國した。先日取材に応じた際は、當時の焦慮を思い起こすのにも少し考える必要があるほどだった。現在の彼がより直接的に感じているのは、「中國経済は力強く復活した。歐米はまだ防疫のことで言い爭いを続けている。我々はすでに前へ大きく邁進している」ということだ。
シンクタンク「中國とグローバル化」の儲殷研究員は、「危機的事態において、國家の行動の優劣は國家の統治能力と密接に関係する。中國は新型コロナ対策において見事な対応をみせた。國際政治の舞臺のリーダーである米國の新型コロナ対策時の混亂と比べると、特にそれが際立つ。これによって、中國の若者は自國の體制への自信を一層強めた」と指摘した。
また、復旦大學の于海教授(社會學)は、「中國の若者が自國に対してより安全であると感じ、自信を強め、さらには一層の熱情と熱愛を抱くようになったのは確かだ」とする。パンデミックとの闘いの時期における愛國意識と米國の対中政策に対する反感は、特に米國で學ぶ中國人留學生の間で激しかった。彼らは外國の文化や言語との接觸によって、西側の思想をより積極的に受け入れるようにはならず、反対に中國の制度に一層賛同するようになった。「出國すると、さらに愛國心が強くなる」という現象を西側社會は再考すべきだと、中國の學者は考えている。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年2月9日