ここ數年、日本旅行の人気が高まる中、中國人観光客の消費モデルが徐々に転換していることが注目される。以前は炊飯器や便座を「爆買い」していたのが、楽しむための消費や體験するための消費へとバージョンアップを遂げている。
文化?観光部(省)も報告書「2019年國慶節連休期間文化?観光市場狀況」の中で、「數年前には長期連休になると中國人は海外へ行って爆買いをしていたが、今年の連休のアウトバウンド客は心身をリラックスさせることをより重視し、便座や風邪薬や炊飯器などを買いあさったり、小型コンテナで商品を大量に中國まで運んだりといった現象はまれになった」と指摘した。
日本の観光庁が発表した「訪日外國人消費動向調査」のデータによると、17年には中國人観光客の一人あたり平均消費額は、宿泊が4萬7690円、飲食が3萬8258円、娯楽?レジャーが5550円、ショッピングが11萬9319円だったが、18年は宿泊4萬7854円、飲食3萬9984円、娯楽?レジャー7998円、ショッピング11萬2104円だった。この數字からみえるのは、ショッピングが減少した一方で、娯楽?レジャーが増加したことだ。
単純なショッピング旅行ではなく、文化消費にお金を使いたいと考える中國人観光客が増えている。日本へコンサートを聴きに行く、特別な展覧會を鑑賞するなどだ。19年初めには、臺北の故宮博物院が東京國立博物館に貸し出した顔真卿の真筆「祭姪文稿」が日本で大きな反響を呼んだだけでなく、中國人観光客も數萬人単位で日本へ行き顔真卿の名品をその目で見た。観光庁の推計では、1月16日から2月24日までの會期中、中國人観光客約5萬人が來場したという。
中國人観光客の蕭さんは國慶節の前日夕方に初めて東京へやって來た。日本語がわからないにもかかわらず、地下鉄を乗り換えて、代官山の蔦屋書店にたどり著いた。書店から出てくるとモーメンツで、「世界で最も美しい10大書店の1つとされる蔦谷書店は、その名の通り美しい書店だった。地下鉄の終電が午前0時じゃなかったら、閉店する2時までずっとここにいたかった」と発信した。
日本で旅行會社を経営する中國人の呂さんは、「今回の消費稅率引き上げは観光客の旅行コスト増大に直結する。ますます多くの若者が、同じお金を使うなら、『爆買い』より、自分の足で日本を歩き回り、自分の心で日本の風俗や文化を體験したいと考えるようになった」と分析した。