ここ數年、若者を中心にじわじわと人気が高まりを見せている「漢服」。特に今年は花見スポットや労働節(メーデー)連休の観光地などでの「漢服」出現率も格段にアップしているように思える。今回はそんな「漢服」にスポットをあててみよう。人民網が伝えた。
そもそも「漢服」って何?
日本人にとって中國の伝統的な民族衣裝として、まず思い浮かべるのは旗袍(チャイナドレス)かもしれない。しかしチャイナドレスはもともとは満州貴族の衣裝「旗裝」から改良し、1920年代頃から洋服の製法を吸収して定著した民族衣裝。一方の「漢服」は「漢民族伝統服飾」の略。つまり、「漢民族が著ていた服=漢服」ということになり、時代ごとにそのデザインが大きく異なる。しかしどの時代の漢服を見ても、そこから日本の各時代の民族衣裝が少なからず影響を受けていたことが見て取れる。
気になるその値段は?
中國のショッピングサイト?淘寶(タオバオ)で漢服を検索してみると、かなりの數がヒットした。販売數で上位を占めているのは1著100~300元(1元は約16.18円)ほどだが、ある程度マニアの域に達している人にインタビューしてみると、ほとんどが300元~1000元以上かけて購入しており、なかには3000元以上という人も。一方レンタルの場合は、北京で漢服レンタル+撮影のセットで300~600元というセット料金が多かった。漢服を著る人が増えていることで、靴や髪飾りといった関連グッズも次第に増えてきている。
漢服を著て、何をする?
漢服を普段著として著るというコアなマニアもいるが、週末などに漢服を著て出かけたり、撮影やイベントに參加して定期的に漢服を楽しむというマニアがほとんどだ。また近年増えているのが、旅行先で漢服をレンタルして撮影を楽しむライトユーザー。中國の花見スポットや観光地では、これまでもご當地民族衣裝を著て記念撮影というのが、必ずと言っていいほどあったが、そのほとんどがその場でパチリと寫真を撮って終了というものだった。しかし現在は様々なネット人気スポットが登場し、SNSやショート動畫アプリなど「自分を見せる」ツールもバラエティに富んでいることから、體験內容もますます深化している。同時に、數年前から始まった學校教育における國學の重視や、國を挙げての伝統工蕓や伝統文化の発揚もまた「漢服ブーム」を支える下地になっていると言えよう。(文?イラスト?玄番登史江)
イラストで知ろう!イマドキ中國
人民網ではもっと身近なスタイルで今どきの中國を読者の皆さんに知ってもらうため、「つるにはまるまるむし爺さん」と「へのへのもへ郎」、「へめへめくつ美」の3人が流行語やカルチャー、時事問題など幅広いジャンルにおける「イマドキ」を紹介。中國ってこんな國なんだ!と興味を抱き、理解を深めるきっかけにしてみてください。
「人民網日本語版」2019年5月23日