シンガポールの華字紙「聯合早報」(電子版)はこのほど、東京大學の川島真教授の「日中関係と國民感情」という文章を掲載し、「20世紀以降の外交の焦點が、政治、経済から少しずつ國民感情に移ってきている。日中関係を見てみると、國民感情が両國の関係を左右する重要な要素となっていることは明らかだ。1980年代、日本の國民の8割が『中國に親近感を感じる』と答えていたが、時代が移り変わった今、8割が『中國に親近感を感じない』と答えている」と伝えた。
以下は川島教授の文章。
同様に、中國國民の日本に対する印象も悪い。特定非営利活動法人言論NPOの調査によると、近年、訪日中國人観光客が増加し、日中関係が改善しているのを背景に、中國人の日本に対する印象は改善しているものの、依然として中國人の7割が日本に対して「マイナス感情」を抱いているという。
実際には、言論NPOの調査では「親近感を感じるか?」のほか、「日中関係は重要か?」という質問もあり、両國の回答者の5割以上が「重要」と答えている。日本にとって、中國はとても重要な存在で、中國にとっても日本がとても重要なのだ。「親近感は感じない」が、「とても重要」というのは最大公約數なのかもしれない。もしそうなら、両國関係は數年緊張狀態にあったものの、両國政府が打ち出す政策により、その関係は少しずつ改善に向かっており、それは世論の動向を反映しているのかもしれない。
もう一つしっかりと考えなければならないのは、日本で、特に際立っているのは、年齢層によって中國に対する感情が大きく異なるという點だ。端的に言えば、中國に対して最もマイナス感情を抱いているのが60代の人で、最もプラス感情を抱いているのが20代の人だ。內閣府の「外交に関する世論調査」の結果も同じことを示している。
年齢層別に見ると、中國に親近感を感じるかという質問に対して、60代の84%が「どちらかというと親近感を感じない」、もしくは「親近感を感じない」と答え、「親近感を感じる」、「どちらかというと親近感を感じる」との回答は13%にとどまった。一方、18-29歳の回答を見ると、「どちらかというと親近感を感じない」、もしくは「親近感を感じない」との回答は68%、「親近感を感じる」、「どちらかというと親近感を感じる」との回答は31%だった。つまり、若い日本人は中國に対して比較的良い感情を抱いているといえる。30-50代の人の回答と比べても結果が同じだった。
若い人ほど中國に対してプラス感情を抱いている原因は何なのだろう?一般的に、60代の人は50年代生まれで、青春期に高度経済成長期を経験し、日中関係という面では、日本が圧倒的に優越性のある時代で人生のほとんどを過ごしてきた。一方、20代の若者は、その逆だ。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年3月30日
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