中國の王毅外交部長(外相)は27日、第69回國連総會で一般討論演説を行った。演説のキーワードは「平和」と「正義」だった。(文:華益聲?國際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海樓」掲載)
現代世界は平和と正義を必要としている。今年は第1次世界大戦勃発100周年、來年は第2次世界大戦終結70周年だ。平和と発展が時代の基調となっているものの、現代世界は依然として太平ではない。世界情勢、地域情勢に影響を與える不確定要因、不安定要因が複雑に入り組み、焦點となる問題がひっきりなしに起きている。軍拡競爭、テロ、サイバーセキュリティなど伝統的、非伝統的安全保障上の脅威が交錯。國際関係における不公正、不平等の問題が依然として突出し、覇権主義、強権政治、新干渉主義が多少頭をもたげている。したがって、平和と正義の維持は極めて難しい狀況だ。
問題と試練を前に、中國は実際の行動によって平和と正義を支える必要がある。これは中國の特色ある大國外交の必然的な要請だ。中國は國家の実力と國際的影響力が日増しに高まる大國として、「公共財」を提供する責任があり、さらに多くの國際的責任を引き受ける。そして「中國の特色」は、西側の行動モデルは踏襲せず、やたらと武力や制裁に訴えたりはしないということも意味している。中國自身が平和的発展の道を歩む必要があり、中國外交も正當な道理を主張し、守り、正義を広める必要がある。
多國間外交は中國外交の重要な構成要素だ。國連は中國が國際的責任を引き受ける重要な場だ。今回の國連総會で王部長は平和を共に築き、安寧を共に守るうえでの4大原則として、平等、開放?包摂、協力?ウィンウィン、公正な道理を打ち出した。
平等は中國がかねてより堅持している重要原則だ。中國は國家は大小、強弱、貧富に関わらず平等であると考え、獨立、主権、領土の完全性、自ら選択した社會制度と発展路線を含む各國の核心的利益の尊重を呼びかけている。平等は、一國が安全で他國が安全でない狀況、一部の國が安全で別の一部の國が安全でない狀況を認めないし、ましてや他國の安全を犠牲にして自國のいわゆる絶対的な安全を図る行為は容認しない。したがって、平等は平和の重要な保障だ。
公正な道理も中國の準則だ。近年、一部の國は「國際法」や「國際ルール」を旗印に掲げて、他國を激しく非難したり、さらには戦爭に打って出るやり方に慣れている。中國は法律は共通の準則であるべきで、法律の適用にダブルスタンダードがあってはならないと要求している。
中國は平和と正義を守る方式?方法も打ち出した。政治的解決を堅持し、各方面の利益に共に配慮し、民族の和解を推し進め、多國間主義を実踐することだ。これらの核心は、國連中心の戦後國際秩序および國際安全協力システムを維持することだ。中國は國連の5大常任理事國の1つであり、國連の枠組みで積極的役割を発揮すべく盡力している。
今年の中國外交部長(外相)による國連演説は昨年と比べて、マクロとミクロの雙方を重視することをより強調した。王部長はウクライナ、イラク、シリア、パレスチナ、南スーダン、アフガニスタン、イランの核、朝鮮の核、テロ、気候変動、エボラ出血熱、ポスト2015年開発アジェンダなど具體的問題について中國側の立場と主張を明らかにした。
內容から見ると、中國側の提言の大きな特徴は、個々の対応策と根本的な解決策を共に考慮することだ。テロという今回の國連総會の重要な議題について、中國はテロ過激思想の根本的原因と拡大ルートを取り除き、封じ込め、テロリストがインターネットなど新たな通信手段を利用してテロを煽動、募集、資金援助、畫策することを取り締るよう訴えた。
中國の特色ある大國外交は責任ある大國としての貢獻と責任擔當を體現している。(編集NA)
「人民網日本語版」2014年9月29日