習近平國家主席は21、22両日にモンゴルを公式訪問した。習主席が単獨の國を訪問するのは、7月の韓國訪問以來2回目だ。1カ國に対するこうした短期訪問をメディアは「要所を押さえる」外交と呼ぶ。短く、対等で、速く、スケジュールがびっしりと組まれ、內容豊富で、成果に富むことが特徴だ。今年1月のソチ冬季五輪開會式への出席も「要所を押さえる」外交と呼ばれた。
では、「要所を押さえる」外交にはどのような特徴があり、通常どのような國が対象となるのか?専門家に話を聞いた。
■「要所を押さえる」外交とは何か
外交部(外務省)は1月10日、習主席がプーチン大統領の招待でソチ冬季五輪開會式に出席すると発表した。翌日の人民日報は論説で、ソチ冬季五輪開會式出席のためのロシア訪問を「短く、対等で、速い」「要所を押さえる」外交と呼んだ。習主席はロシアに滯在したわずか43時間に二國間、多國間の活動12件に出席した。王毅外交部長(外相)は習主席が訪問を終えた後、ソチへの「要所を押さえる」訪問を、中國の國家主席が外國の大型國際スポーツ行事に出席する先駆けとなる、中國外交実踐の革新的行動だと述べた。
習主席は7月に韓國を訪問し、8月にモンゴルを訪問した。両訪問は短期間だったものの、実り豊かな成果を上げ、重大な意義を持ち、中國と韓國、モンゴルとの二國間協力の水準を大幅に引き上げ、互恵?ウィンウィンを促進した。中でも中國?モンゴル関係は包括的?戦略的パートナーシップに格上げされた。メディアは両訪問も「要所を押さえる」外交の新たな実踐だと考えている。
■「要所を押さえる」外交は通常近隣國が対象
「『要所を押さえる』外交の特徴はスピーディー、効率的で、柔軟なことだ」。中國國際問題研究院の曲星院長によると、この外交形式の対象は近隣國であることが多い。例えば習主席は7月に韓國を、8月にモンゴルを訪問した。両「要所を押さえる」外交は、いずれも近隣の1カ國のみに対する訪問だ。
「近隣國は距離が近く、訪問期間を短くすることができるため、比較的柔軟なセッティングが可能だ」。曲氏によると、「要所を押さえる」外交は効率的な外交方式であり、1カ國のみを訪問することで、雙方の注目する問題について集中的に話し合い、二國間協力を促進し、しばしば実務的な成果を上げることができる。曲氏は「要所を押さえる」外交のこうした特徴から、今後中國はこうした訪問をさらに増やすとの認識を示した。
■「要所を押さえる」外交―1カ所を押さえて広範な影響
外交學院中國外交理論研究センターの高飛センター長によると、「要所を押さえる」外交は1カ所を押さえることで広範な影響を及ぼすことができるのが大きな特徴だ。西側諸國がソチ冬季五輪開會式出席をボイコットする中、中國指導者の出席はロシアの心に響いた。韓國の位置する北東アジア地域は比較的大きな安全上の挑戦を抱え、韓國を押さえれば、周辺の朝鮮や日本にも影響を與えられる。
高氏によると、習主席はモンゴル訪問時の演説で「みなさんが中國の発展という列車に乗ることを歓迎する。急行に乗るのであれ、便乗するのであれ歓迎する。まさしく『単獨ならより速く行け、集団ならより遠くまで行ける』ことだ」と語った。この発言の「要所」は、周辺國の注視する問題において、世界中にメリットがあるようにする「中國の夢」および自他共に利するという中國の平和的発展の趣旨を周辺國にはっきりと表明したことにあり、必然的に計り知れない影響を及ぼす。
高氏によると、中國周辺國は中國の発展に対して疑念や懸念を抱いている。今回のモンゴル訪問はグレードが高く、大きな成果を上げ、1回の訪問で多方面の取り組みを達成した。中國はモンゴルという1カ所を通じて周辺國にまで影響を及ぼし、経済繁栄、安全発展を図る最短の道が米國ではなく中國であることを周辺國に伝えた。(編集NA)
「人民網日本語版」2014年8月27日