日本の岸田文雄首相とNATOのストルテンベルグ事務総長がこのほど會談し、協力を強化することを表明した。これにより日本とNATOの戦略的協力関係は格上げされ、新たな段階へと入った。日本とNATOの結託と接近は、アジア太平洋地域に陣営対立と分斷のリスクをもたらすものであり、地域諸國は強く警戒すべきだとアナリストは指摘する。(文:徐若傑<中國社會科學院歐州研究所>解放軍報掲載 )
日本とNATOは近年、結託の程度を深め続けている。この背景には、雙方共に計算がある。冷戦終結後、NATOはモデル転換と東への拡大に盡力し続け、絶えずその手をアジア太平洋地域へと伸ばし、「アジア太平洋版NATO」を構築しようとしてきた。米國のアジア太平洋同盟體制における重要な一員である日本は、NATOのアジア太平洋戦略において極めて重要な役割を演じている。現在、國際問題におけるアジア太平洋の影響力が高まり続けていることから、NATOは絶えず日本に接近しており、日本に助勢するように見せて、実際には自らがアジア太平洋問題にいつでも介入できるようにしている。
日本としても、NATOをアジアに「引き入れる」ことにはそれなりの計算がある。日本の政治屋の一部は、これによって日本の國際的地位を高め、米歐の支持を獲得すると同時に、NATOの助けを借りて自らの軍事能力を高めることもできると考えている。安全保障政策面で、日本は過去1年間活発に動いてきた。特に昨年末に日本政府が閣議決定した安保関連3文書は、いわゆる反撃能力の保有に盡力すると公言して、周辺諸國の強い注目を浴びた。ストルテンベルグ事務総長は訪日時に、日本の安保政策の転換に歓迎の意を表した。これが軍拡加速への日本の意志を後押ししたことは間違いない。
NATOは常に自らを集団的防衛組織だと主張しているが、戦略の觸角を到る所に伸ばし、しばしば衝突と激動を引き起こしてきたことは、歴史を振り返れば難なく気づく?,F在の日本とNATOの結託の強化、特に雙方が強い冷戦思考と戦略的計畫を持っていることが、アジア太平洋秩序を亂し、集団的対立へと向かわせることは必至であり、國際社會は強く警戒する必要がある。(編集NA)
「人民網日本語版」2023年2月13日