浙江省溫嶺市政府は14日午前、G15瀋海高速道路のタンクローリー爆発事故について、1回目の記者會見を開いた。初期段階の調(diào)査によると、ナンバー「浙CM9535」の液化石油ガスを積んだタンクローリーが13日午後に寧波市から溫州市に向かい、G15瀋海高速道路の溫嶺市大渓鎮(zhèn)良山村付近を走行中に爆発が発生した?,F(xiàn)在まで19人の死者が出ており、172人が入院し治療を受けており、うち重傷者は24人。周辺の建築物に破損が生じた。科技日報が伝えた。
積載量約20トンの液化石油ガス(LPG)タンクローリーの爆発で、これほど大きな危害が生じたのはなぜだろうか。
◆液化石油ガスが漏洩しガス化し、空気と混ざり爆発
液化石油ガスはプロパンとブタンの混合物で、少量のプロピレンやブチレンなども含まれる。通常は刺激臭のするエタンチオールを混合し、漏洩した際に発見されやすいようにしている。
データによると、1キログラムの液化石油ガスのエネルギーは約4萬6100キロジュールで、1キログラムのTNT火薬の爆発によるエネルギーは約4200キロジュールだ。そのため液化石油ガス1キログラムが完全燃焼した際のエネルギーは、TNT火薬約10キログラムのエネルギーに相當(dāng)する。一方で、手榴弾1個にはTNT火薬が約50グラム含まれる。言い換えれば、家庭用の満タンのガスボンベ1本の爆発によるエネルギーは手榴弾3000個分に相當(dāng)し、2階建ての建物を破壊できる。
中國農(nóng)業(yè)大學(xué)の陳奎孚教授は14日、「エネルギーは威力に相當(dāng)しない。TNT火薬の爆発にかかる反応時間は通常10萬分の1秒で、極めて短時間內(nèi)に大きな圧力と衝撃波を生む。それに対し、液化石油ガスのこの時間は數(shù)百分の1秒、さらには數(shù)十分の1秒であり、生じる圧力は一般的には數(shù)十気圧だ。そのため同じ質(zhì)量の液化石油ガスの爆発で生じる威力はTNT火薬を下回る」と説明した。
しかし今回の爆発はなぜこれほど強かったのだろうか。陳氏は「液化石油ガスを保存するタンク內(nèi)は15気圧で、いったん本體やバルブ、パイプが破裂し液化石油ガスが漏洩すれば直ちにガス化し、空気と混ざり爆発する」と分析した。
「また今回の爆発があったのは住宅密集地付近で、さらに吹き飛んだタンクローリーが道路沿いの工場に衝突し二次爆発を引き起こした」と陳氏。
タンクローリーは密封されたタンクで、液體の壁への圧力を分散させるため円柱形が一般的だ。各種オイルの熱膨張と冷収縮の狀況を考慮し、満タンにすることができない。液化石油ガスを運ぶタンクの有効容積は通常50?60立方メートルの間で、約90%で満載となる。タンクの上部には安全弁があり、正常な狀況であればタンクは密封されている。
上海応用技術(shù)大學(xué)都市建設(shè)?安全工學(xué)院の安全工學(xué)(消防工學(xué))準教授の麻庭光氏は、「動畫を見ると、爆発現(xiàn)場の衝撃波は非常に強かった。液化石油ガスと空気が一定の化學(xué)量論比に混合された場合のみに発生しうる。通常の液化石油ガスの漏洩では爆発が発生するとは限らない。そのため今回の事故の漏洩の過程、揮発の過程、爆発の過程について調(diào)査を掘り下げる必要がある」と述べた。(編集YF)
「人民網(wǎng)日本語版」2020年6月15日