今年に入ってから、世界を取り巻く環(huán)境は日増しに複雑で厳しくなっており、世界経済と貿易も伸びが鈍化し、中國経済はさまざまな挑戦と困難に直面し、下ぶれ圧力が今もなお大きい。10月中旬、國家統(tǒng)計局が今年第3四半期の國民経済運営の主要指標を発表し、これが中國內外の世論に中國マクロ経済の先行きに対する高い注目を集めた。世論の中には、理性的な分析や評価もあれば、検討や議論が待たれるものもある。道理というものは論爭を経なければはっきりとは見えてこないものだ。次の4つの問題をはっきりさせることは、目下の中國マクロ経済をよりよく理解する上で必ずやプラスになるだろう。「経済日報」が伝えた。
産業(yè)チェーンの大規(guī)模な海外移転はあるのか?
世論の聲の中には、中米貿易摩擦の影響により、年初以來、中國企業(yè)の多くが投資を控えるようになり、中國の産業(yè)チェーンと供給チェーンは大規(guī)模な海外移転を進めており、中國の製造業(yè)はもう立ちゆかないという見方がある。
実際、世界的な産業(yè)分業(yè)とグローバル産業(yè)配置について踏み込んだ調整を行ってみると、要素価格の変化を踏まえ、人件費などのコストが比較的安価な場所へと移転する企業(yè)もあった。企業(yè)自身の発展戦略ニーズを踏まえて、國際市場を主體的かつ積極的に開拓する企業(yè)もあった。もちろん、経済貿易摩擦の影響を回避するために他國へ移転する企業(yè)も少數(shù)だがある。しかし全體としてみれば、中國以外の國に行って工場を建設したり経営活動を行ったりするのは、いずれも當たり前の現(xiàn)象だといえる。
「大規(guī)模な海外移転」という言い方は穏やかでない。企業(yè)の海外移転においては、さまざまな要因を検討する必要があるからだ。たとえば産業(yè)配置の能力が十分かどうかといった點だ。製造業(yè)企業(yè)は海外移転を準備する過程で、産業(yè)チェーン全體の代替コストを検討しなければならない。中國の工業(yè)製品約200種類は生産量が世界一で、一部の産業(yè)は世界の先端レベルに到達あるいは近づいており、中國は世界一の製造業(yè)大國で、産業(yè)配置の能力も強大だ。製造業(yè)企業(yè)が中國の産業(yè)配置を放棄した場合に失う機會コストは極めて大きいといえる。
またビジネス環(huán)境が非常に優(yōu)れているかどうかという點も検討が必要となる。これは市場主體が経営活動を展開する上で必ず検討しなければならない重要な要素だ。中國ではこのほど「ビジネス環(huán)境最適化條例」が公布され、制度レベルでビジネス環(huán)境の最適化により有力な保障が與えられている。ビジネス環(huán)境最適化の成果を見ると、企業(yè)が中國で登録登記する際にかかっていた時間が大幅に短縮され、今では企業(yè)設立までにかかる日數(shù)は平均で5日間に縮まった。年初以來、中國で新たに登記登録した企業(yè)の數(shù)は大幅に増加し、一日あたり平均1萬9900社が新たに登記登録している。中國のビジネス環(huán)境世界ランキングは昨年に78位から46位に上昇したのに続き、今年もさらに31位に上昇し、10大エコノミーの中で2年連続で上昇幅の大きかったエコノミーになった。
さらに人材の質が真に標準に達しているかどうかも検討しなければならない。企業(yè)が中國から海外移転するには、移転先目的地の産業(yè)の人材の質が今の中國の人材のレベルに達しているかどうかを詳細に検討する必要がある。中國の人口ボーナスは人材ボーナスへと急速に転換しつつあり、高等教育を受けて専門的技能を備えた質の高い人材が1億7千萬人以上おり、大學卒業(yè)生は毎年800萬人を超える。目的地の國の労働力コストが中國より低くても、その労働効率、組織力、規(guī)律性が中國の産業(yè)界で働く人々の水準に達しているかどうかはわからない。
こうした要因に関して、中國には自信がある。言い換えれば、産業(yè)チェーンが中國から大規(guī)模に海外移転するための條件は整っていないということだ。現(xiàn)在の企業(yè)の海外移転の狀況が、中國の経済成長、産業(yè)バージョンアップ、労働や雇用などに與える影響は全體としてみればコントロール可能なものだといえる。(編集KS)
<4つの疑問に向き合い中國経済を見通す>
中國の産業(yè)チェーンの大規(guī)模な海外移転はあるのか?
「人民網(wǎng)日本語版」2019年11月19日