中國商務部(省)はこのほど、中國が「信頼できないエンティティ?リスト」制度を構築する方針であることを明らかにした。市場の規則を遵守せず、契約の精神に反し、ビジネス以外の目的で中國企業に対して封じ込みや供給停止を実施し、中國企業の正當な権益に深刻な損害を與える外國法人、組織、または個人をリストに盛り込むという。人民日報海外版が伝えた。
中國の同制度構築はどのような考えに基づくものか。中國內外の企業にどのような影響をもたらすか。中國の対外開放プロセスに影響するか。こうした話題について、中國世界貿易機関<WTO>研究會研究部部長を務める対外経済貿易大學國際経済貿易學院國際貿易學部の崔凡教授がインタビューに答えた。
【記者】中國の「信頼できないエンティティ?リスト」制度構築の背景は何だと考えるか。
【崔教授】中國の対外貿易の法律制度は中國の改革開放プロセスの中で、また中國が世界各國との貿易関係を持続的に発展させるプロセスの中で構築され、徐々に整えられてきたものだ。ある程度において、歐米諸國は中國の対外貿易法律制度構築の師であり、その國々には中國よりも整った複雑な対外貿易法律制度システムが備わっていると言える。
「中華人民共和國対外貿易法」は1994年に可決?施行され、2004年と16年に改正された。「対外貿易法」の主な目的は対外貿易を発展させること、対外貿易の秩序を保護することで、先進國に比べて、中國は対外経済貿易関係の処理に関する法律制度が著しく不十分だと言える。中國の対外貿易の規模が拡大を続け、対外貿易関係がますます複雑になり、國際経済貿易環境の不確定要因が増大するにつれ、中國は先進國の経験を選択的に參考にし、國內法の構築を強化して、自國の貿易の利益を保護する能力、対外貿易関係を安定させる能力を向上させる必要に迫られるようになった。
【記者】今回の措置は最近の中米経済貿易摩擦のエスカレートとどのような関係があるか。
【崔教授】現在、中國の主要貿易パートナーの輸出規制と貿易制限の法律制度はますます複雑になっている。そのうち、いくつかの法律制度では、いわゆるロング?アーム(非居住者に対する司法管轄)を実施し、域外適用管轄権を行使している。
たとえば他國企業が米國の要求に従わず、米國から購入した商品や技術を米國が転売禁止とする第三國に転売した場合は、制裁を受けることになる。他國企業と、米國の制裁は受けるが國際連合の制裁決議は採択されていない第三國とが貿易を行った場合も、制裁を受けることになる。前者にある程度合理性があるというなら、後者は覇権主義の現れに他ならない。米國の「ヘルムズ?バートン法」(キューバに対する制裁法)や「ダマト法」(イラン?リビア制裁強化法)、また最近のイラン産原油の輸入を禁止する経済制裁は、すべて(米國の)制裁を受ける國と貿易する他國?他國企業にも制裁を行うというものだ。
最近、米國は5G分野における華為技術(ファーウェイ)の発展を阻止するため、いわゆる「エンティティ?リスト」などの制裁ツールを駆使して、ファーウェイに対して封じ込みや供給停止を実施し、長い時間をかけて形成されたグローバル供給チェーンを混亂に陥れ、中國企業の商業利益と中國の経済の安全性に損害を與えた。