春の耕作の時期、習近平総書記の視線が種に注がれた。習総書記は10日午後、海南省三亜市で崖州灣種子実験室を視察した。穀物の苗から育った1本1本の幼苗を前に、習総書記は「種は我が國の食糧安全保障の鍵だ」と改めて指摘した。
4年前、習総書記は海南省を視察した際、國家南繁科研育種基地にわざわざ足を運び、決意を固めて種子業に取り組んでいく必要性を強調した。かつての陝西省北部の生産大隊時代、河北省の県黨委員會書記時代、そして福建省時代から、習総書記は種子業や海南南繁科研育種基地と深い関係を結んできた。習総書記が小さな種をこれほど気にかけているのはなぜか。
■食糧安全保障は戦略的問題
習総書記は以前、「食糧の多寡は戦術的問題であり、食糧安全保障は戦略的問題だ」と指摘した。春耕期の現在、習総書記が種子に特別な注意を払うのは、戦術的問題と戦略的な問題を深く考慮してのことだとの見方がある。
現在、國際環境は日増しに複雑化し、不安定性と不確実性が増し、新型コロナウイルス感染癥のパンデミックが広範かつ計り知れない影響を及ぼしており、世界は激動と変革の時代に入っている。特にここ數ヶ月は、ロシア?ウクライナ紛爭が世界の食糧貿易に深刻な打撃を與え、國際食糧価格は高値更新を繰り返している。そうしたなかで、食糧安全保障が再び國際社會で強く注目されるようになっている。
14億の人口を擁する中國にとって、食糧安全保障は國民経済と國家安全保障に関わる。それは経済的問題であるだけでなく、政治的問題でもあり、中國の食糧安全をいかに確保するかは、國家安全保障に関わる「國之大者」(黨と國家の前途命運、中華民族の偉大な復興、人民の幸福と安寧、社會の長期的安定等に関わる、國家にとって大事なもの)である。
■「食糧問題解決の根本的道は科學技術にあり」
「食の問題を解決するための根本的な道は科學技術にある」。 習総書記は種子業における科學技術革新を非常に重視している。今回、海南省で習総書記は種子業のイノベーション狀況を重點的に視察。種子の供給源を國産の制御可能なものとするために、種子業の科學技術を自力で強化する必要性を強調した。これは戦略的意義を持つ重大な事だ。
種子業の現狀打開の鍵は、獨自のイノベーションにある。習総書記は數10年も前から、農業の発展促進における科學技術の重要な役割を認識していた。陝西省での生産大隊時代に梁家河に行った當初、種子生産拠點に配屬された習総書記は、種子生産の知識を積極的に學び、小さなノートにメモを取り、窰洞(ヤオトン。橫穴式住居)に帰ってからも、機會があれば種子生産に関する知識を皆に語っていた。
「農業大國として、我々は決して遅れをとってはならない。農業科學技術の自立?自己強化を堅持し、農業の主要技術、コア技術の難関攻略を加速する必要がある」。2020年12月の中央農村政策會議で、習総書記はこう強調した。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年4月12日