米國連邦準備制度理事會(FRB)は、予定通り現地時間12月17日より政策金利を0.25ポイント引き上げることを発表した。新たな政策金利の誘導目標は0.25%~0.5%となる。FRBの利上げは2006年6月以來となり、世界最大のエコノミーがついに利上げ周期に入った。京華時報が伝えた。
米利上げの新興市場経済に対する影響は、西側の先進國への影響をはるかに上回る。新興市場大國である中國への影響は最も大きくなるだろう。これには、主に以下のいくつかの方面があげられる。
?人民元相場への影響。米利上げの予想により、ここしばらくの間ドル高が続いていた。一方人民元は大幅に下落している。米利上げが実施された木曜日にはオンショア人民元が1ドル=6.48元に達し、4年半ぶりの最低値を更新、オフショア人民元は約300ポイント下落した。こうした影響は長い間続くとみられる。ただ、元安は中國にとって必ずしも悪いことではなく、中國の輸出を促進できる。これは経済の下振れ圧力に対応するうえで必要なものだ。
?中國の域內資本の流出加速。これは予想されていたことであり、中國への第2の影響と言える。11月、米の利上げ予想を受けて、中國では外貨準備と外國為替資金殘高の大幅減少が引き起こされた。利上げが実施されれば、この狀況は引き続き拡大するだろう。中國人民銀行は対応策を講じ、相場の下落と資本流出が交代で現れる悪循環を防止するべきだ。
?中國の外貨準備への影響。元安と資本流出は外貨準備の大幅な減少を招くだろう。
これら3つの要素が、中國の金融政策に影響をもたらすことは間違いない。金融政策は必ず成果を上げなければならず、必要ならば預金準備率の引き下げも実施しなければならない。
米利上げは大口商品市場に対する影響も大きい。石油価格は引き続き低下し、中國の原油価格調整に難題がもたらされるだろう。金銀の価格も大きな上昇は見られず、その他大口商品価格の低迷は中國経済にとって不利な情報となるだろう。
米利上げは株式市場、不動産市場にとっても不利な情報だ。特に資本流出は市場の流動性を狹め、両市場に悪影響をもたらす。木曜にはA株が高値で始まり、高値で終わり、上海総合指數は1.81%上昇した。これは主に、株式市場がすでに米利上げによる不利な要素を消化し、利上げが実施されたことが逆に好材料になったとみられる。しかし、これは利上げのA株への悪影響が無くなったことを意味するわけではなく、引き続き相場?資本流出および経済金融市場への影響を観察する必要がある。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年12月21日