消息筋によると、広汽三菱はこのほど新しい塗裝ラインと組立ラインが稼働したことにより、生産能力が13萬臺を突破した。誕生して間もない合弁企業にとって生産能力は大事なものだが、昨年の販売臺數が4萬3千臺にとどまった同社が最も急ぐべきは、ブランドをしっかり構築し、販売臺數を急速に伸ばすことだ。これをしないで生産能力が13萬臺に達しても、能力の大部分が活用されないことになる。「北京商報」が伝えた。
同社は2012年10月12日に設立され、3年で中國での販売臺數を20萬臺に引き上げ、5年で中國のスポーツ用多目的車(SUV)市場でトップになることを目指している。この大きな販売目標を踏まえて、15年の生産能力は最大で30萬臺に達することが予想される。
同社の切迫した心情は理解できる。12年に三菱自動車工業株式會社と北京ベンツ-ダイムラークライスラーは技術ライセンス合意を締結し、「パジェロ」の生産を開始したが、さまざまな原因で生産停止に陥った。その後、三菱自動車は長豊汽車と東南汽車に株式參入したが、販売臺數は芳しくない。こうした背景の下で、広汽三菱には熱い期待が寄せられ、中國市場で反転攻勢するための最も重要なコマとみなされている。さきに伝えられたところによると、三菱自動車の社長によると、広汽三菱の最初の計畫では生産能力は30萬臺だったが、その後50萬臺に拡大された。
理想は麗しいが、現実味は乏しい。初めて丸々一年間の販売臺數データがそろった13年は4萬3千臺の売り上げにとどまった。広汽三菱の劉偉?執行副総経理によると、広汽集団は14年の広汽三菱の販売任務を7萬臺としたが、広汽三菱は13年の倍にあたる8萬6千臺を目指すとしている。仮に8萬6千臺を達成しても、4萬4千臺の生産能力が活用されないことになる。また15年は「3年で中國での販売臺數を20萬臺に引き上げる」ための最後の年であり、発展の規律からいうと、広汽三菱が來年に20萬臺を達成する可能性は低いといえる。
より重要なことは、広汽三菱は発展過程で十分に処理できない問題に次々ぶつかっていることだ。現在、同社の第一號製品となった「AXS」はエンジンオイルの乳化の問題が世間を騒がせているが、同社はなかなか公式の解決策をうち出さず、大企業として責任ある態度を示していない。
どんな企業でも順序を追って段階的に発展していくもので、広汽三菱も例外ではない。現在の狀況から考えて、同社が中國の消費者にとって魅力のある製品をうち出し、真摯で責任ある態度を取れば、さらに営業販売で努力を重ね、ブランドの影響力を高めれば、企業の進歩は促進される。過激な計畫に頼ってなんとかしようとするのは、砂上の樓閣のようにはかないことだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年5月27日