資料寫真
「オールド北京の呼び売り」は、舊北京市街の小さな物売りたちが、街を歩きながら物を売っていた時代に形成された民族文化の一つである。「売り聲」とも呼ばれるこの呼び売りには、音楽や韻律など様々な內容が含まれており、第二弾北京市級無形文化遺産リストに登録されている。民間コレクターで「オールド北京の呼び売り」の愛好家でもある阿龍さんは、「今の北京では、呼び売りの聲はめっきり少なくなった。さまざまな條件や制限があるからで、伝承者の確保も困難になっている。私は將來、これらの『売り聲』を後世に伝えるために、『呼び売り博物館』を建設したいと思っている」と話した。中國新聞網が報じた。
阿龍さんの「呼び売りの聲」は、最後の音をまるで永遠に続くかのように長く引っ張る。「昔の北京、特に東城?西城の奧まったところには、お金持ちが住む大邸宅が並んでいた。物売りの聲が短い一聲で終わるものならば、大邸宅の奧にいる坊ちゃん嬢ちゃんには、物売りの聲が屆かない」。
さまざまな原因によって、オールド北京に賑やかに行き交っていた「売り聲」は、今では珍しいものとなってしまった。阿龍さんは、「1980年代から1990年代には、正當な北京の売り聲はめったに聞くことはできなくなってしまった」と、昔を懐かしむように話した。
「オールド北京の呼び売り」は、簡単そうに見えるが、習い始めるとかなりの努力を要する。阿龍さんは、「呼び売りを學び始め、技術をマスターして、実際に商売できるレベルに達するには、最低十年の修行が必要だ。このため、呼び売りの伝承者を確保することが困難になっている」と話した。