もともとは日本の富裕層や老後生活をする人々を対象に開発された海辺の溫泉付き住宅が、販売開始と共に十數人の中國人に買い取られたという。この溫泉付き住宅のある和歌山県白浜町でこれらの不動産販売を擔當する不動産業者は、これを受けて営業方針を変え、中國人を上客に據えている。6月中旬、白浜町に開発中の別荘エリアでは中國人の購入者の名前が書かれたプレートが數多く見られた。中國新聞網が伝えた。
この不動産業者によれば、この會社では和歌山県白浜町で合計38萬平方メートルの土地の開発を計畫しており、別荘、マンション、ホテルを建設する予定だという。昨年11月、この會社が建設計畫を発表してから現在までにすでに十數人の中國人が不動産や土地を購入しているという。中には1億數千萬円で購入した土地に、さらに數億円かけて不動産を建築する計畫をしている中國人もいるという。
今まで中國人の不動産投資は主に東京や大阪などの大都市や、箱根などの有名なリゾート地に限られていた。しかし現在はそんな狀況に変化が生じ、日本でやや規模の小さい溫泉地で、外國人があまり知らないようなリゾート地に中國投資家たちの興味が移っているという。千葉県の山武市や沖縄県の國頭郡今帰仁村、靜岡県熱海市などがそれにあたる。この會社では開発するエリアについて中國人からの問い合わせや不動産購入が少なくないとしている。
ではなぜこのような現象が生じているのだろうか。この不動産業者によれば、中國の投資家たちの日本に対する理解が深まるにつれて、その他の地方に投資のチャンスがあることを知り始めたのではないかと分析している。さらに東京や大阪といった大都市では投資の競爭が熾烈であるため、以前ほど魅力的ではなくなっているという。また日本政府も全國各地の街づくりを推進していこうと、全國で「外國人が快適かつ安心して滯在できる都市」の建設を計畫している。そのため、日本の中小都市の投資環境もさらに整ってきており、現在5千萬から1億円の小規模投資家や中小企業の投資のターゲットが日本の中小都市に移りつつある。
白浜町は人口2萬3千人あまりの小都市だが、天然の溫泉、海岸、洞窟など豊かな自然と新鮮で豊富な海産物で年間300萬人以上の観光客がこの地を訪れる。2015年の観光客は延べ344萬4千人に上っている。
白浜町観光課の統計によれば、そのうちこの地に宿泊する観光客は203萬6千人となっており、1年間で白浜町の人口の100倍に當たる観光客がこの地に宿泊していることになる。
現地メディアの報道によれば、白浜町では宿泊施設の不足に最も頭を悩ませているという。そのため多くの中國人投資家は土地を購入して民宿を建てて貸し出そうと計畫している。
民宿投資のブームを受け、日本では多くの不動産業者が土地開発を行うと同時に、賃貸や民宿管理と運営業務の部門を設け、日本の民宿投資を目的とするより多くの海外投資家を惹きつけようとしている。(編集TG)
「人民網日本語版」2016年6月8日