〇年越しは故郷が一番、天津へ帰ることを夢見みて
今年の春節、劉さんはテストのため帰省することができなかった。家族は口にこそ出さなかったが、彼が帰ってくることを望んでいたという。劉さんはしばしば一人っきりの大晦日を思い出すという。牛丼をテイクアウトして、家に帰りパソコンを立ち上げて、ネットで春晩(春節を祝う中國の國民的年越し番組で、日本の紅白歌合戦に相當)を見る、これが彼一人の年越しだ。
しかし、今年は普段よりはにぎやかに過ごすことができたという。というのも、友人を通じて知り合った數名の日本に來たばかりの中國人留學生たちと一緒に、舊暦の大晦日に集まり、市場で野菜を買って、各人それぞれが料理を作ったからだ。劉さんの擔當は水餃子だったという。
その席では故郷を懐かしむかどうかは話題に上らず、むしろ日本での留學生活に対する期待と生活の経験などについての話題で盛り上がったという。食事の後、時間はまだ早かったが、劉さんは早々と住まいに戻り、パソコンを立ち上げ、両親と動畫チャットをした。今年の大晦日は彼にとって以前に比べてずっと心溫まるものだったという。
〇人は大阪にいても、心は天津と広州に
大阪に留學中、劉さんは一人で雲南のシャングリラに旅行に行ったことがあり、そこで広州から來ていた現在の彼女の娜娜さんと知り合ったという。現在彼女は広州で勉學に勵んでおり、劉さんとは遠距離戀愛中だ。
もうすぐ4年生になる劉さんは就職活動を始めている。日本の生活にも慣れ、日本で仕事をする能力もあるが、帰國する考えは捨てていないという。「チャンスを見て、総合的に考えたい。國內で暮らせば家族とも近くなる」と劉さんは語る。