中國が世界貿易機関(WTO)に加盟した時に定められた15年間の保護期間が、今年7月1日に終了する。最近は、期間終了にともなって自動車を含む輸入商品の関稅が減免され、大幅に値下げされるとのうわさが流れている。商務部(商務省)の沈丹陽報道官はこのほどコメントを出し、「中國のWTO加盟にあたっての保護期間は実際には2010年に基本的に終了した。よって保護期間の終了は輸入商品価格の大幅値下げを意味しない」と述べた。「北京商報」が伝えた。
沈報道官は、「中國が2001年にWTOに加盟すると、2002年1月1日から関稅の全面的な引き下げがスタートし、その後10年をかけて徐々に引き下げが実施されてきた。このうち圧倒的多數の輸入製品の関稅引き下げの約束は2005年1月1日に履行され、2010年1月1日には、すべての製品の関稅引き下げの約束がすべて履行されて終了した。中國のWTO加盟にあたっての保護期間は実際には2010年に終了したのだ」と述べた。
同部國際貿易経済協力研究院國際市場研究部の白明副主任も、「15年は中國が関稅引き下げの約束を果たす最終期限ではない。協定文書に基づき、中國はWTOに加盟すると、輸入商品の関稅引き下げの義務を履行し始めなければならなくなり、引き下げは2004年までに基本的に完了した。ごく少數の商品のみ2010年まで期限を延長された。よって実際の操作ということでは、中國は各産業、各商品について交渉後に確定された約束に基づいて具體的な過渡期を設けていた」と話す。
データをみると、こうした意見が裏付けられる。公式データによると、中國の平均関稅水準はWTO加盟前の15.3%から2010年は9.8%に低下した。白副主任は、「中國は(WTO加盟)當時、完全な市場経済國ではなく、多くの面でWTOが制定した基準に合わない部分があったが、WTO加盟の準備期間中の中國には確かに巨大な発展の潛在力があったため、最終的に雙方は一種の折衷したやり方を選択し、15年間の過渡期を設けることになった」と説明する。
白副主任の見方では、「この15年間の過渡期の背後には、実は中國がWTO加盟から15年間で市場経済國の地位を本當に獲得できるかどうかをみるという意味が含まれていた。特に焦點となったのは関連企業の反ダンピング問題、反補助金問題だった。非市場経済國であれば、商品コストを設定するときに(比較可能な)『代替國の価格』を利用する方法(第3國価格を利用する方法)を用い、當該國の國內市場の価格によって決定することはしない。これにより反ダンピングの指摘を受けた企業が公平な待遇を得られなくなる」という。
つまり、もしも中國が保護期間の終了後に市場経済國の地位を順調に確保できているなら、対外貿易輸出企業は「代替國の輸入価格」によって反ダンピングや反補助金の批判に対応する必要がなくなるということだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年6月19日