「中國は米國をアジアから追い出そうとしている」。近年の米國世論を見ていると、これが少なからぬ文章のタイトルであり、一部の高官や學者も懸念を抱いている話題であることに気づく。(文:賈秀東?中國國際問題研究院特別招聘研究員)
最近米國は中國の周辺における一連の外交的動きや政策表明を注視し、中國によってアジアから締め出されることへの憂慮を深めている。これは米國が中國の打ち出した「アジア安全保障観」に対して誤解を深めていることの表れであり、中國の周辺における影響力の高まりに危機感を強め、南中國海や東中國海で中國の示す自信に挫折感を感じていることの反映でもある。
過去2年間に中國の周辺外交は確かに積極?進取の姿勢を強めた。アジア信頼醸成措置會議とAPEC會議の主催というホームグラウンド外交および頻繁な首脳外交を通じて、周辺外交における中國の主體性と影響力は新たな高まりを見せている。この趨勢に対しては、客観的な理解と把握が必要だ。
第1に、中國の打ち出した「アジア安全保障観」の著眼點はアジア自身の特徴に基づき、アジアの共通の安全を保障することにあり、米國のプレゼンスと影響力を排除することでは決してない。アジア人は當然自らのニーズを最も理解しており、アジアをしっかりとしたいとの願いも自ずと最も差し迫っており、アジアの事は結局はアジア人が決める必要がある。そして米國はアジアが平和?安定?繁栄を実現できるか否かにおいて、最大の外部要素だ。アジアのことはアジア人が決め、米國と積極的な役割を発揮する。両者は相互排斥の関係ではない。米國がアジアで役割を発揮するうえでどのような方法を選択するかが鍵となる。
第2に、中國のアジアにおける外交的進取の著眼點は協力?ウィンウィンで、アジアの共同発展を保障することにあり、米國の口から「パイ」を奪おうとしているのでは決してない。先日の中央対外事務政策會議で習近平総書記は「中國と世界との関係には深い変化が生じている。両者の相互作用はすでにかつてないほど緊密になり、相互依存?影響も深まり続けている。このように相互依存が深まり続ける中、協力?ウィンウィンこそが中國と周辺および世界が良好な相互作用を実現する持続的原動力だ」と指摘した。