近く北京で開かれる第3回世界平和フォーラムに出席する日本の鳩山由紀夫元首相は14日、新華社の単獨インタビューに「安倍晉三現首相の打ち出した『積極的平和主義』は偏狹な考え方であり、真の平和をもたらし得ない」と指摘した。新華網が伝えた。
第3回世界平和フォーラムは今月下旬、「共通の安全保障の追求:平和、相互信頼、責任」をテーマに清華大學で開かれる。鳩山氏は3回続けて來賓としてフォーラムに出席する。鳩山氏は「中國がこのフォーラムを主催し、平和のシグナルを発することは、アジア全體の平和構築にとって重要な意義がある」と指摘した。
少し前にシンガポールで開かれたアジア安全保障會議については「あの會議で安倍首相は『中國脅威論』をまき散らし、いわゆる『価値観』による自他の線引きを喧伝したうえ、この考えに基づいて集団的自衛権行使の問題を討論した。これは対話というより、派閥を組む行為だ」と指摘。「會議參加者を自分の好きな陣営と嫌いな陣営に分けて、自分の好きな陣営とのみ協力を語る。これは対話とはいえない。それと比べ、世界平和フォーラムは対話を通じて、小異を殘して大同につくことを主張しており、より建設的なフォーラムだ。価値観の異なる人や國が対話を通じて価値観の違いを克服し、利益の共通點を探り出す、これこそが対話の要諦だ」と述べた。
鳩山氏は「いわゆる『価値観』で分類し、自分と価値観の異なる國を脅威と見なし、武力で抑えつけることを主張する。これが安倍首相の『積極的平和主義』の考え方だ。だが、この考え方は余りに偏狹だ」と指摘。「もし日本が集団的自衛権を行使すれば、それは戦爭への道が開かれたことを意味し、將來米國などと共に戦爭に參加するかもしれないことを意味する。そして戦爭と平和は水と火のように絶対に相容れないものだ。日本が平和主義を放棄することは、國の本當の寶を放棄することを意味する」とも強調した。
鳩山氏はさらに「安倍政権は『積極的平和主義』や『自由と繁栄の弧』を鼓吹し、中國に対する警戒と対抗を煽り立て、結託して『中國包囲網』を築こうと試みている。だが日米が連攜して中國を抑えつけるという考え方に米國が賛成するとは限らない。安倍政権は『価値観外交』や『中國包囲網』をすることで、最終的に日本自らの孤立を招くだろう。日本はなぜ他國に対して集団的自衛権を行使するのか?なぜ武器を輸出しようとするのか?なぜ戦爭をより発動しやすい道を歩もうとするのか?と國際社會から疑問の聲が上がることは免れがたい。他の國々が反対に日本こそが脅威だと感じた時、日本は孤立するだろう。日本は他國を包囲しようとした結果、自らを包囲させる可能性が高い」と指摘した。
鳩山氏は「安倍政権は米國の本當の戦略的意図について読み誤りがあり、日米同盟の絆の重要性を繰り返し強調すれば、米國の歓心を得られると考えている。実は米國にとっては、中國の重要性が増していく一方だ。これは大きな趨勢だ」との認識も示した。