國際フォーラム「ハバロフスク裁判:歴史の教訓と現代の課題」が、このほどロシア?ハバロフスクで開催された。ロシアのプーチン大統領はフォーラム參加者に書面でメッセージを寄せ、「ハバロフスク裁判は非凡な意義を持つ。歴史の記憶を留め、人道に対する罪を防止するという観點から、フォーラムには特に重要な意義がある」とした。(文:呉恩遠?中國社會科學院ロシア?東歐?中央アジア研究所元所長。環球時報掲載)
1949年12月25日から30日にかけて、ソ連極東の都市ハバロフスクで、ソ連政府は特別軍事法廷を設け、第二次世界大戦の元兇である日本ファシズムによる「細菌戦」の発動という犯罪行為について、最後の関東軍総司令官である山田乙三を含む12人の日本人細菌戦戦犯に対する公開裁判を行い、細菌戦を発動した日本人犯罪者にしかるべき処罰を與えたことで、國際的に広く稱賛された。ハバロフスク裁判の意義は、細菌戦犯罪に対して特別に行われた人類史上初の國際裁判であったこと、その正義の判決によって、當時日本のファシズム戦犯が細菌兵器を開発し、戦時中に朝鮮や中國の一部地區に細菌兵器を放つなど大罪を犯していた事実を白日の下に曝したことにある。ハバロフスク裁判はその実施からすでに70年余りが経つが、今日の現実の狀況に対して依然重要な現実的意義を持つ。
まず、第二次世界大戦の成果を斷固守らなければならない。
2005年7月19日、日本の東京高裁は、「第二次大戦時の日本軍細菌戦実験の被害者に賠償と謝罪をすべき」との中國民衆の要求を退けた。つまり、今日にいたるもなお日本政府は當時細菌戦を発動した事実を覆い隠し、細菌戦被害者への謝罪を拒んでいるのだ。しかし、ハバロフスク裁判の記録した、當時日本の細菌戦戦犯の供述した日本軍による細菌戦の準備及び発動という厳然たる事実を覆すことは斷じて不可能だ。
次に、日本の細菌戦の張本人である731部隊の形を変えた復活を防がなければならない。
今年6月、中國外交部(外務省)報道官は、第二次世界大戦終結後の數年間に米國がフォート?デトリックの細菌戦専門家を続々と日本に派遣し、部隊を率いた石井四郎を含む731部隊の主な隊員から日本の細菌戦の狀況を把握したことを指摘した。米國は731部隊の細菌戦のデータや資料を得るために25萬円(當時)を支払った。米國は実質的に、日本の731部隊という歴史の「ゾンビ」を利用して、フォート?デトリックで悪行を復活させたのだ。
新型コロナウイルスのパンデミック発生以來、各國の研究者が新型コロナウイルスとフォート?デトリックとの関連性を指摘してきた。すでに2019年7月には、米疾病予防管理センター(CDC)がフォート?デトリックの複數の安全対策違反の記録を把握していた。當時、フォート?デトリック近くの老人ホームで感染性の呼吸器系疾患が発生し、その癥狀は新型コロナウイルス感染癥と類似していた。
2020年4月、中國科學院微生物研究所の専門家は、「我々はインターネット上の情報に留意している。米國でもフォート?デトリックが新型コロナウイルスの発生源かもしれないと疑う聲があるが、米國政府はこれに対して公式な返答をせずにいる」と述べた。中國外交部は米國に対して、もし本當に事実を尊重するのなら、フォート?デトリックを公開するとともに、米國の海外200ヶ所余りの生物學研究所などの問題について、さらに多くの事実を開示し、世界保健機関(WHO)の専門家を自國での新型コロナウイルス起源解明調査に招き、國際社會の懸念に応え、実際の行動によって國際社會に説明を行うよう繰り返し呼びかけた。
ハバロフスク裁判は、當時細菌?ウイルスを製造した日本の731部隊の途方もない大罪を明らかにした。人類社會は今日、その復活を斷じて許さない。これがハバロフスク裁判の現実的意義だ。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年9月13日