現(xiàn)在放送中の中國ドラマ「喬家的児女(The Bond)」の最初の數(shù)話で主に登場するのは、役どころとほぼ同じくらいの年齢の子役たちで、ストーリーは淡々とした雰囲気で始まった。しかし、喬家をめぐる物語が展開し始めると、多くの視聴者が喬家の世界へと、いつの間にか入り込んでしまっている。文匯報(bào)が報(bào)じた。
同名小説をドラマ化した「喬家的児女」は、ここ30年の間に移り変わりを見せた中國社會において、喬家の子供たちが苦労しながら、互いに支え合い、成長していく姿を描いている。喬家の母親は、5人目の子供である喬七七を生んだ後、亡くなってしまうが、俳優(yōu)の劉鈞(リュウ?ジュン)演じる父親の喬祖望は、トランプや酒に入り浸る日々を送り続けていた。そのため、俳優(yōu)の白宇(バイ?ユー)演じる長男?喬一成は、わずか12歳にして、弟や妹の世話をする責(zé)任を負(fù)わざるを得なくなってしまい、弟の保護(hù)者會に出席したり、妹の看病をしたり、生まれて間もない七七にミルクをあげたりといった全てのことをこなさなければならなくなった。その後、喬一成、喬二強(qiáng)、喬三麗、喬四美、喬七七の兄弟姉妹5人は互いに支え合い、寄り添い合いながら生きていく?!袱袱丹蟆勾铯辘伍L男の世話を受けて育った弟や妹たちは、特別に何かに抜きん出ているというわけでもなく、多くの人が馴染みを覚えるような生活を送る子供たちばかりだ。
喬一成は、責(zé)任感が強(qiáng)く、情に厚く、善良で、我慢強(qiáng)い。しかし、弟や妹のために全てを盡くす彼も、內(nèi)心では「自分のために生きたい」という強(qiáng)い願望を抱いている。教師夫婦が喬四美を養(yǎng)子として引き取ることにした時(shí)、喬一成はこっそりとその夫婦を訪ねる。別れがつらく、妹を引き取るのはやめてほしいと願うのかと思いきや、彼は、賞狀を手に、「僕を引き取ってほしい」という予想外の願いを申し出たのだ。そして、夫婦から申し出を斷られるや、彼は帰り道、賞狀を捨て、一人でケーキを食べる。少年から大人になりかけている彼の心の葛藤がうまく描かれている。
「悪役」にも同情できる部分があり、「いい人」にも必ず欠點(diǎn)があるものだ?!竼碳业膬古工扦?、登場人物すべてがそういった多様性を持ち合わせており、可愛らしい部分がありながら、欠點(diǎn)もある。平凡な喬家は、ほとんどの一般家庭の縮図のようで、人々の様々な感情模様を映し出していると言える。その登場人物たちはいずれも私たちが普段の生活で接するような人々と変わりなく、困難に直面した時(shí)に彼らが示す反応や感情が特に人々の心を揺さぶっている。例えば、ボロボロの家の中で子供たちが食べ物を分け合うシーンや、四美が兄弟姉妹に會いたくなり、列車に潛り込んで、こっそり南京に帰るシーン、一成がテレビ局に就職し、初めて出社する日、弟や妹たちがスーツやネクタイ、革靴をプレゼントし、父親までが腕時(shí)計(jì)をプレゼントするシーンなどだ。
中國人の処世哲學(xué)では、家族とけんかをすることもあれば、日々の暮らしの中で思い通りにならないこともたくさんあるものの、自分の家というのは、永遠(yuǎn)に誰もがぬくもりを感じることができる場所であり、「血は水よりも濃い」という言葉があるように、血のつながった家族との絆は、なによりも強(qiáng)く深いものだ。喬家の子供たちはストーリーが進(jìn)むにつれて、社會に出て働き、結(jié)婚し、それぞれが家庭を築くようになり、5本の枝がそれぞれ違う方向に向かって伸びていくように、雨風(fēng)を経験したり、溫かい日光を浴びて成長したりしていく。しかし、その根っこは常にしっかりとつながっているのだ。そしてそれこそが「家族」なのだろう。(編集KN)
「人民網(wǎng)日本語版」2021年8月31日