新型コロナウイルスによる肺炎が世界に広がり、最近になってベトナム、タイ、カザフスタン、エジプト、セルビア、カンボジアの6ヶ國が穀物の輸出を禁止すると相次いで発表した。世界に食糧危機がやって來たのだろうか。
中國社會科學院農村発展研究所の黨國英研究員は、「世界の食糧生産は感染癥によって生産量が目に見えて減ったということはない。主に國際間の移動がスムーズにいかなくなり、國際貿易が妨げられることが主な問題であり、感染癥が深刻な問題をもたらすわけではない。しかも國には少なくとも3ヶ月以上の食糧の備蓄があるのが一般的であり、自然災害や緊急事態に対応できる」との見方を示した。
中國人民大學経済學院の劉守英院長も似た見方をしている。劉氏は、「感染癥は世界の食糧の生産と供給にそれほど大きな影響は與えないが、世界の食糧供給チェーンに大きな影響を與える」と述べた。
劉氏によると、「感染癥が発生したのは主に大都市で、食糧生産地の農村はそれほど影響を受けていない。よって世界の食糧生産?供給にそれほど大きな影響は與えないだろう。新型肺炎は伝播速度が非常に速く、どの國も生命が第一であることと経済的損失とのバランスを取らなければならず、世界の複數の國はやむを得ず戦『疫』體制を実施し、國外から入ってくる人やモノの流れを厳しく制限し、グローバル経済活動の正常な流通を切斷した。これは同時に食糧のグローバル供給チェーンの切斷でもある」という。
劉氏は、「世界に食糧危機が起こるかどうか検討し、特に感染癥のアフリカでの拡大狀況に注意すべきだ。アフリカで大規模な感染が起これば、世界の食糧危機を増大させる。世界の食糧問題の核心はアフリカにある」と特に注意を促した。
劉氏は、「アフリカ地域は食糧生産能力が元々低く、醫療防疫體制も非常に不完全で、醫療資源はとりわけ不足している。感染癥がアフリカで大規模に広がれば、たくさんの人が救援を必要とするようになる。醫療方面の救助が必要であり、食品?食糧方面の支援も必要だ。感染癥の打撃の下、世界各國はアフリカへの人道主義に基づいた救援に參加する必要がある。これこそが世界の食糧市場に大きな打撃を與え、世界の食糧供給への圧力をさらに増大させる問題だ。私が今最も懸念すること、今最も注目すべきだと考えていることは、感染癥がアフリカで蔓延すれば、世界のより多くの人々の健康、生命、世界の食糧?食品の安全の問題がさらに確実に深刻化するということだ」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年4月7日