80人のメンバーから成る「日本青年科學技術者訪中団」が21日、北京に到著した。北京大學と清華大學、中関村國家獨自革新モデル區および一部の企業を訪問した後、23日からは2組に分かれ、交流のために杭州と廈門(アモイ)に赴いた。24日から26日にかけて、同訪中団アモイ訪問組の一行約40人は、廈門にある廈門大學と中國科學院都市環境研究所、廈門タングステン業股フン有限公司(フンはにんべんに分)、廈門集積回路設計公共サービス?プラットフォームを相次いで訪問し、中國の大學の科學研究メカニズムや中國科學研究機関?企業の製品研究開発、環境保護、科學技術革新などの分野における問題點をめぐり意見を交換した。人民網が伝えた。
今回の訪問活動は、「中日科學技術青年交流計畫」の一環として実施された。2014年、日本科學技術振興機構(JST)の特別顧問を務める沖村憲樹氏の提唱のもと、日本は「さくらサイエンスプラン」を始動した。今年10月10日の時點で、日本に招待した中國の青年科學技術者や関連管理者は1萬人に上った。このプランを促進するため、中國科學技術部(省)は2016年、「中日科學技術者交流計畫」をスタートし、毎年多くの日本人青年技術者を中國に招き、「さくらサイエンスプラン」と共に、現在の大きな「中日青年科學技術者交流計畫」の構成要素となった。この4年間で中國は計430人の日本人青年を中國に招き、今年の年末には計580人を上回るとみられている。中日雙方向の青年科學技術者の交流は、大きな成果を上げるとともに、雙方から高い評価を得ている。
廈門大學國際処の余宏波副処長は來賓を歓迎する挨拶を延べ、同大學科技処の呉喜平副処長が同大學の科學研究の現狀を紹介して、「廈門大學は、対外交流?協力、特に日本の大學との交流?協力を非常に重視している。本校は、これまでに、海外約250大學と大學間協力協議合意書を取り交わした。このうち、日本では、東北大學、北海道大學、筑波大學、早稲田大學など20あまりの大學と、學生交換プログラム、『さくらサイエンスプラン』、教員による相互訪問、科學研究協力、合同実験室、夏?冬キャンプ、國際會議の共同開催などの協力プロジェクトを展開している。今後も廈門大學は日本と多方面にわたる交流を展開するためのチャンスがより多く訪れるよう望んでいる」と述べた。
中國科學院都市環境研究所黨委員會書記を務める朱永官研究員は、「今後、日本の環境関連企業と産業化の分野で協力が始まるよう期待している。科學分野では、中國のここ數年の発展は速く、通常の協力ルートでも協力プロジェクトが生まれている。今後はさらに、環境技術と産業との協力強化を図る必要があり、これは非常に重要なポイントだ。なぜなら技術と産業の協力を通じてこそ、環境問題の本當の解決が得られるからだ。環境保護を理論の上だけで留めるのではなく、産業界との協力があればこそ、社會の持続可能な発展を本當の意味で推進することができる」と強調した。
廈門タングステンの莊志剛黨委員會書記は、「約30年以上にわたる弊社の発展プロセスにおいて、発展の一歩一歩はすべて、科學技術革新を通じて実現してきた。また、弊社と日本側との交流?協力の歴史は極めて長く、取引先関係から協力関係に変化したもの、さらには株券を保有する協力関係にまで発展したものもある。その後、再びこれらの協力を通じて、雙方はより深い技術面での探求と交流を進めてきた。弊社は今後も引き続き日本側と足並みをそろえた交流?學習を展開していくのと同時に、自己をより高め、新たな協力チャンスを模索していきたい」と意気込みを示した。
日本原子力規制委員會原子力規制庁の三田村ひかり氏は、ここ數日の中國訪問に対する感想について、「これまでは、中國に関する情報といえば、テレビから得たことだけだった。今回初めて中國を訪れるにあたり、恥ずかしいことだが、中國の人々はまだ昔ながらの『人民服』を著ていると思っていた。実際に中國の地に來て、人々がさまざまな衣服を身に著けており、斬新で美しいファッションで裝っているのが分かった。また、訪中前は、中國のPM2.5汚染が極めて深刻な狀態で、至る所がスモッグだらけだと想像していた。だが、実際に北京に到著して空を見上げると、空気はとても澄んでおり、廈門の天気はより素晴らしく、風景も非常に美しかった」と興奮気味に話した。中國の改革開放以降40年間にわたる発展の成果について、三田村氏は、「中國がこれほど大きな変化をやり遂げたことについて、大変驚いている。例えば、中國が高速鉄道のようなハイテク製品を建設していることを訪中前から知っていたが、実際にこの目で見たあとの感想は、全く異なる。そしてリニアモーターカーにしても、日本では神奈川―名古屋間のリニア走行が実現するのは、まだ隨分先のことだが、上海ではすでにリニアが開業している。また、高速鉄道についても、中國は竣工?開通にいたるまで10年も要しなかった。この『中國のスピード』には驚いた。それだけでなく中國に來て、人々がとても禮儀正しく、公共の場ではちゃんと列に並び、服裝もトレンドのものを身に著け、東京の街を歩く人とほとんど差がないというか、同じとすら言えることが分かった。今回の中國訪問を通じて、私は想像していたのとまったく異なる中國をこの眼で確認できた。本當に來て良かった」としみじみと語った。
農林水産省水産庁で防災関連事業を擔當している白石悠広氏は、「今回の訪中は、北京と廈門の2ヶ所だけだったが、中國科學技術の著しい発展を肌身で感じた。訪中前にも中國は多くの面で進んでいると聞いてはいたが、実際に來てみて、深センなどの特區以外の地方も進んでいることを実感した。このように、真の中國を理解するチャンスが得られたことは非常に有意義だった。この數日間で得た多くの知識や経験を実際に仕事に応用することはまだ難しい。だが、今後、中國のAI技術を日本で応用できればと思っている」と述べた。
訪中団のメンバーである日本國立研究開発法人?水産研究?教育機構の藤枝一成氏は、中國に対するイメージについて、「この數日のタイトな訪問スケジュールを通じて、中國がこのように素晴らしい発展を遂げ、科學技術が高度に発達したことを目の當たりにした。だが、中國の凄さは並大抵ではないという認識に至ったことは、私にとって予想外だった。中國を訪れる前は、テレビや新聞などのメディアで中國がかなり発展したことを知っていたが、本當に自分の目で見て、中國が科學技術面で私の想像のはるか先を進んでいることが分かった。今回の訪問を経て、中國に対する自分自身の見方が変わった。中國に対する自分のイメージは、良い方向にシフトした。日本に帰國したら、自分が見聞きしたことを友人たちとシェアしようと思っている」と話した。
同じく訪中団のメンバーである香川大學の田中健氏も、同じような感想を抱いていた。「訪中前は、主にインターネットから中國に関する情報を得ていた。実際に中國を訪れると、至る所が活気に満ち溢れ、人々には活力がみなぎっていた。ちょうど、日本の高度成長期と同じような狀況だ。今回、廈門大學を訪れた時、かつて米國で一緒に働いていた同僚と偶然再會した。私たちの目下の関心事や課題は、とても似通ったものだったので、今後、一緒に共同研究を進めることが決まった。また、今後、中國側の機関とも、より多くの交流や協力を展開したい」と田中氏は語った。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年10月29日