ブラックホールの姿を捉えることを目的とした世界の電波望遠鏡で観測する國際プロジェクト「イベント?ホライズン?テレスコープ(EHT)」に參加する天文學者らは北京時間今月10日夜9時に、東京、ベルギー?ブリュッセル、チリ?サンティアゴ、上海、臺北、米ワシントンD.C.の世界6都市で同時に「畫期的な成果」を発表する予定だ。ミステリアスなブラックホールの実態に迫る人類史上初の畫像がまもなく公開されることになる。ブラックホールとは何なのか、ブラックホールを捉えた畫像の撮影成功は何を意味するのかについて、中國科學院國家天文臺研究員の茍利軍氏に取材した。
茍氏によると、ブラックホールは、極めて高密度かつ大質量の天體で、吸い込まれると物質だけでなく光さえ脫出することができないほど強い引力を備えている。ブラックホールの大きさはその質量によってきまり、シュワルツシルト半徑で表現する。例えば、太陽質量をもつブラックホールのシュワルツシルト半徑は約 3キロで、直徑は約6キロ。このように、100萬個の太陽質量をもつブラックホールのシュワルツシルト半徑は300萬キロ、直徑は600萬キロということになる。
ブラックホールにはどんな役割があり、地球が吸い込まれる可能性はあるのだろうか?その點について茍氏は、「普通の人の生活に直接的な影響はない。ただ、ブラックホールは、宇宙の一點から別の一點へワープできる抜け道と考える物理學者もいる。有名な物理學者?故スティーブン?ホーキング博士は、『ブラックホールの中心は、平行宇宙への入り口だ』との見方を示したことがある。彼の説はブラックホールを通して、ものすごいスピードで地球から遙か遠い場所、または平行宇宙へ到達することができるかもしれないというものだ」と説明する。
ブラックホールの畫像を撮影することに成功したならば、人類はその人類史上初めてその存在を直接的に確認することができることになる。これまでは、さまざまな間接的な方法でブラックホールの存在を確認してきたが、どれも直接的な方法ではなかった。ブラックホールの畫像は、科學者が基礎的問題を解く助けになると期待されている。例えば、ブラックホールの周囲には分流があり、それは銀河系全體において非常に重要な役割を果たしているが、その作用がどのように生まれているのかははっきりしておらず、ブラックホールの周囲の狀況を畫像で見ることができれば、最も基本的な科學的問題を解く助けになる。
また1枚の畫像の処理に約2年間を要した理由について、茍氏は、「世界の8ヶ所にある望遠鏡のデータが関係するため、データ量が膨大である一方で、データ処理の過程で多くの技術的難題が存在するからだ」と説明した。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年4月10日