外交には些細なことなどはなく、重大な注目を集めるイベントとなるとなおさらだ。
1つの動き、1つの言葉、1つの仕草がさまざまな意味をもち、深いメッセージを発していることがある。
普通ではない今回の中米の次官級通商協議は、最終的に積極的な進展を遂げたはずだ。米國は率先して聲明を発表し、協議を振り返り、大きな成果を上げた、実に貴重な機會だとした。改めて協議の內容を振り返ると、実に味わい深いポイントがたくさんあることがわかる。
▽ポイント1:協議が2日間から3日間に延長
雙方が発表した內容によると、今回の次官級協議はもともと2日間の予定で、北京時間の7日と8日に行われるはずだった。
1秒、1分と刻々と時間が経過し、8日の夜になっても結論が出ず、多くの人が、「協議はどうなるのか、決裂するのでは」と焦りを感じ始めた。
最終的に協議は1日間延長された。
今回の協議は一般の協議ではなく、雙方から數十機関の200人を超える政府関係者が參加するという大規模なものだった。
事情通の話によると、雙方は時間を延長して話し合い、夜遅くまで協議を続けたが、話すべき內容がたくさんあったため、予定の8日になっても協議はまとまらなかった。そこで9日も協議を継続することになった。
これは何を意味するか。
これは積極的なシグナルであることは明らかで、雙方が今回、非常に真剣な交渉を望んでいること、協議を妥結したいと考えていることを示す。
▽ポイント2:劉鶴副総理が現場に登場
ここ2日間ほど、SNSを賑わし、転載され続けた1枚の寫真がある。赤いネクタイを締めた劉鶴副総理が微笑みを浮かべて、7日の協議の現場に姿を現した時の寫真だ。向かい側にいた米國の政府當局者は、明らかに喜んでいるようで、拍手までしていたようだ。
このポイントは、多くの海外メディアにも注目され、「非常に意外だ」などと伝えられた。今回の協議はあくまで次官級協議であり、副総理の劉鶴氏の登場はだれも予想していなかった。
どう考えたらよいのだろうか。
これにはさまざまな解説があるが、筆者が最も確実だと感じるのは、やはり多くの海外メディアも伝えているように、劉氏の登場は特別なことであり、中國がこの協議をどれほど重視しているか、どれほど誠意を示しているかがわかり、米國に対する破格の厚遇であるというものだ。
また別の興味深いポイントがある。北京時間の8日夜、各方面が協議の進展をじりじりと見守っていた時、米國?ワシントンの現地時間の8日早朝、トランプ米大統領が突如、「中國との協議は非常にスムースに進展中」という短いツイッターを発信したことだ。
これは何を意味するのか。
答は非常に簡単だ。今回の協議は北京で行われているが、米國も上から下までそろって非常に注目しており、ホワイトハウスも事態の進展を真剣に見守り、進展があればすぐにも外部へ積極的なシグナルを発信しようとしている、ということを意味する。
▽ポイント3:実に誠意のある、踏み込んだ、成果の豊富な協議
消息筋は、「今回の協議は一度は膠著狀態に陥ったが、全體としては誠意のある、踏み込んだ、成果の豊富なものになった」との見方を示す。
米國で発表された情報によると、米國側は対中貿易赤字の削減を期待しており、中國側は相當量の米國産農産品、エネルギー製品、完成品、その他の商品やサービスを輸入することで同意した。
これをどうみるか。
中國が米國に対して巨額の貿易黒字を抱えることは、爭えない事実であることは直視しなければならない。そこで米國の優れた製品を多く輸入すれば、素晴らしい生活に対する中國國民のニーズを満たすことにつながる。中國の一部の懸念について、米國側も一定の譲歩をした。
また各方面の情報を総合すると、米國は今回の協議で一連の問題を打ち出し、內容は技術移転の強制、知的財産権の保護、非関稅障壁、サイバー攻撃による企業秘密の流出など複數の分野に及んだ。
米國が打ち出した一連の構造的な要求は、一見すると受入れが難しい過大な要求のようにみえるが、じっくり検討すると、中國が改革開放を深化させるためにしなければならないことばかりだ。
実際、中米貿易戦爭はエスカレートし続けるとともに、中國はずっと改革開放の深化を秩序よく揺るぎなく進めてきた。1年で4回も主體的に関稅を引き下げ、第1回中國國際輸入博覧會には1萬社を超える企業が集まったことが、中國の姿勢を証明してくれている。世界銀行の最新の報告書「ビジネス環境の現狀」では、中國の順位は前年から32位上がった。
中國の進歩は、決して中國が自ら吹聴しているものではない。
貿易戦爭に勝者はなくどちらも傷を負う。中國が損失を被るのはもちろん、米國も無傷ではいられない。最近、米國を含む世界の株式市場に激震が走っていることが、その何よりの証拠だ。
最終的に、中米雙方は交渉のテーブルに戻り、率直な踏み込んだ協議を通じて、積極的な進展を遂げた。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年1月10日
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