中國の習近平國家主席は新年早々中東を訪問し、今年初の重大な外交活動を繰り広げた。中國は國際社會で一挙手一投足が決定的影響を及ぼす大國であり、中國の指導者が訪問したサウジアラビア、エジプト、イランはいずれも中東地域で重要な影響力を持つ國だ。したがって、今回の訪問はことのほか注目されている。(文:蘇暁暉?中國國際問題研究院國際戦略研究所副所長。人民日報海外版コラム「望海樓」掲載)
習主席の出発前、中東地域の紛爭問題には微妙な変化が生じた。一部の西側メディアはこれを機に騒ぎ立て、習主席の訪問は外交バランスを把握する厄介な課題に直面し、さらには困難と知って取り消す可能性もあると報じた。
だが、こうした憶測を前に中國は落ち著き、習主席は予定通り3カ國を訪問した。訪問日程は充実し、習主席は5日間に4都市を訪問し、40余りの活動を行い、3カ國の指導者および3カ國の地域機関のトップと踏み込んで會談し、各界の人々と幅広く接觸した。訪問は成果に富み、各國と計52件の協力文書を締結した。これは経済?貿易、エネルギー、金融、通信、宇宙?航空、気候変動など多くの分野を含み、実務協力を拡充した。習主席はアラブ連盟本部を訪問し、中國とアラブの協力水準を力強く高めた。
今回の訪問は中國にとって今年の外交活動の成功の始まりであり、中國外交の理念革新の成果でもある。習主席の中東訪問は、協力?ウィンウィンを核心とする新型の國際関係を構築することの科學性を十分に証明した。中國が提唱するこの理念は、各國が対立ではなく協力し、獨占ではなくウィンウィンを図り、ゼロサムゲームと勝者が全てを得る考えを放棄するよう主張している。
政治面では、中國は対立ではなく対話を、同盟ではなく非同盟を堅持している。今回の中東訪問で、習主席は中東諸國が自ら選択した発展の道を支持することを強調した。中國は発展のノウハウを共有することを望んでいるが、発展モデルを輸出することはない。中國の建設するパートナーシップは包摂性を重んじており、サウジアラビアもイランも中國と包括的?戦略的パートナーシップを構築する。経済面では、中國は各國の利益の最大公約數を見出すべく盡力している。中東諸國は中國との協力に熱意を示している。これは中國が地域の國々の自主的発展能力の強化を真に望んでいることに由來する。