河南省出身の著名作家で2014年度のフランツ?カフカ賞を受賞した閻連科(えんれんか)氏がこのほど日本のTwitterユーザーが選ぶTwitter文學賞を受賞した。アジアの作家が同賞を受賞するのは初めて。人民網が伝えた。
Twitter文學賞は、作家や評論家が選考に攜わらず、一般のユーザーがTwitter上でその年に最も面白いと思った小説を投票することで決まる賞だ。閻連科氏の小説「愉楽」(原題:受活)の日本語版は昨年末に日本で出版され、中國人作家の小説売上記録を更新し、4カ月で3回も増刷された。現時點で「愉楽」はすでに18カ國語に翻訳されている。
■日本における中國文學の長期にわたる沈黙を打ち破った「愉楽」
谷川俊太郎の詩作品の翻訳などでも知られる中國の詩人、田原氏(城西國際大學客員教授)は、「中國文學は日本では比較的マイナーなジャンルに屬しており、『愉楽』の日本におけるヒットはある種の奇跡と言える」と語る。田原氏によると、中國文學で日本語に翻訳されるものはあまり多くなく、以前は魯迅、後に莫言、殘雪、閻連科、賈平凹、余華などの小説が翻訳されたが、大部分の中國人作家の小説は出版されてもほとんど売れないという。しかし、今回、出版された「愉楽」が、この長きにわたる中國文學の沈黙を打ち破った。東京大學の藤井省三教授は日本経済新聞で、「愉楽」に対して、「深い絶望こもる現代中國の寓話」という書評を発表した。その中で、藤井氏は、「閻連科の絶望は魯迅と比べてもさらに深いようである」と綴(つづ)った。さらに多くの評論では、現代中國の現実と閻連科の小説の構造や虛構を生み出す能力とを関連付けているほか、言葉に豊かな創造性が備わっているという見方を示している。