ソニーの社員にインタビューする時も、社員と討論する時も、彼らの口からは技術について語られることが多い。これがソニーの特徴だ。文系の人には完全に理解できない內(nèi)容でも、ソニーの人々の気迫や語気が聞く者を心地よくさせ、ソニーの製品を使う時にもそのような気持ちにさせられる。ほかの日系企業(yè)の製品と異なり、ソニーの製品にはファッショナブルさやかっこよさが感じられるのだ。「中國経済週刊」が伝えた。
だが今のソニー製品にこうした感じはあまりなく、アップル社の製品にソニーの面影をみる人は多い。アップル創(chuàng)始者の故スティーブ?ジョブズ氏が生涯ソニーを尊敬し続けた理由はここにある。今のソニーは液晶テレビでも攜帯電話でも他社に大きく水をあけられている。
▽ソニーの展望は家電以外にあり
ソニーの平井一夫社長は2年前、「スマートフォン(多機能攜帯電話)で、ソニーは上位3位に入り、韓國のサムスン、米國のアップルと肩を並べる」と宣言した。
ソニーはスウェーデンのエリクソン社との合弁會社?ソニーエリクソンの株式を買収して完全子會社化し、スマートフォン分野で堅実な一歩を踏み出した。だがソニーエリクソンブランドの買収に巨額の費用がかかったことが、14年度の巨額赤字の主要因となった。
攜帯電話で単一のソニーブランドをもつようになった平井社長が気付いたことは、主な競爭相手はサムスンとアップルではなく、高品質(zhì)、多機能、低価格の中國製品だということだった。たとえサムスンにうち勝っても、ソニーが國際攜帯電話市場で大きなシェアはもつことは難しく、利益を上げるのはさらに困難だということだった。
だがソニーは刀折れ矢盡きたわけではない。畫像処理技術やレンズの製造能力をめぐり、ソニーは醫(yī)療分野で新たなチャンスをつかもうとしている。ソニーの車載カメラ用CMOSイメージセンサーを使うと、夜の走行中に車內(nèi)のディスプレーで車外の道路狀況をはっきりと見ることができる。また関連部門の責任者は、「15年12月以降、こうした機能をもったレンズの大量生産が可能になり、今は1枚あたり1500円(約100元)するのが、量産化されればずっと安くなる」と話す。
醫(yī)療分野では、ソニーの畫像処理システムが醫(yī)師の間で人気が出てきている。14年9月に製品化した細胞分析裝置は、細胞の増殖、変形、分裂の全過程を畫像データとして記録することを可能にしたものだ。醫(yī)學の世界で機械設備を利用した治療の必要性が高まる今、ソニーの畫像技術には新たなビジネスの可能性があるといえる。
ソニーの新たな道はテレビや攜帯電話にあるのではなく、デジタル家電以外の分野のどこかにある。平井社長が今後の経営路線をどのように修正するか、平井社長自身が新たな道を探し出せるかどうか、しばらく見守る必要がある。(編集KS)
「人民網(wǎng)日本語版」2014年11月11日