商務部(商務省)の沈丹陽報道官は16日に行われた中華全國新聞工作者協會の第58回ニュース座談會で、世界の國境を越えた投資に大きな反転の動きがみられなければ、2014年の中國の外資導入規模は1200億ドル(1ドルは約107円)に達し、今後の外資導入はゆっくりしたペースの安定的増加の時期に入ると述べた。
同部が発表したデータによると、今年1-8月の外資系企業新規設立數は1萬5200社で、前年同期比5%増加した。金融分野を除いた実行ベース外資導入額は783億4千萬ドルで同1.8%減少し、8月は72億ドルで同14%減少した。
沈報道官は座談會で、「中國の外資導入の増加率は鈍化しており、月別でみるとマイナス成長の月もあるが、中國の投資環境が悪化しているためではない。これは反転の動きではないし、今後の流れでもなく、現在のグローバル経済情勢に応じた短期的な調整なのだ。長期的にみて、中國の投資環境にはなお一定の強みがあり、外資導入はこれからも増える可能性がある」と述べた。
沈報道官は次のように分析する。グローバル経済は國際金融危機後の弱々しい復興の段階にあり、國境を越えた直接投資の伸びは力不足だ。國際連合貿易開発會議(UNCTAD)の予測では、今年の世界の対外直接投資は1兆6千億ドルに達し、前年比11%増加するというが、これは予測に過ぎず、実際の狀況はこのようにはなっていない。今年第1四半期(1-3月)には、米國の対外投資額は同28.2%減少し、日本の対外投資も同2.5%減少した。またUNCTADのまとめたデータをみると、國際資本がより多く流れ込む先は先進國であり、発展途上國ではないことがわかる。
また海外投資家がレートの変動を受けて出資ペースを遅らせており、新たにうち出された企業登記の規定、國內の労働力不足やコスト上昇といったビジネス環境の変化が、海外からの投資に影響を與えている。
沈報道官は、「経済発展が新たな常態に入り、中國の外資導入の重點が規模の拡大から構造の最適化や水準の向上へと移りつつあり、外資導入は改革開放スタートからの30數年間のような成長ペースを維持することが難しくなっている」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年9月17日