習近平國家主席は先日オランダ?ハーグで開かれた第3回核安全保障サミットで、重要演説を2回行った。習主席は核セキュリティーに関する中國の措置と成果を紹介。中國の核セキュリティー観を全面的、系統的に明らかにし、國際社會の原子力の安全と発展について4つの弁証法的関係を明らかにするとともに、手を攜えて協力し、原子力の永続的な安全と発展を実現するよう各國に呼びかけた。この一連の思想は、人類による國際的核セキュリティーシステムの構築に新たな理念を提供した。(文:沈丁立?復旦大學教授、國際問題研究院副院長)
原子力の利用はグローバル?ガバナンスと密接に関係する問題だ。何度かのエネルギー危機によって、原子力は人類にとって手放すことのできない選択肢となった。その一方で、核物質の流失と拡散、核テロの脅威、大きな原子力事故が安全上の譲れぬ一線を脅かし続けてもいる。核セキュリティーガバナンスに対して、各國の見解は異なり、論爭が非常に多いが、さらに広範な協力を行い、世界的な核セキュリティーシステムを構築することが大多數の國の共通認識であり続けている。
中國の核セキュリティー観は、各國による民生用原子力の平等な発展の保護を強調すると同時に、原子力の安全な使用を的確に確保し、核テロを制度面で効果的に防ぐものだ。ここで言う原子力の安全な使用とは、核物質、放射性物質、核施設の保安性、つまりこれらを保護して核テロリストの手に渡らないようにすることを指す。習主席は発展と安全、権利と義務、自主と協力、個別対策と根本的解決との間の関係をしっかりと処理すべきだと提唱し、核セキュリティーの整った回路を組み立てた。
この4つの弁証法的関係は、原子力を発展させている各國が原子力の発展と安全の関係を処理する際にしばしば直面するものであり、國際社會にとっては核テロを前にして避けられないものでもある。中國が今回打ち出した核セキュリティー観は系統的で整った、全面的でバランスの取れたものであり、すでに各國に受け入れられ、等しく評価されている。中國の核セキュリティー観の柱は、原子力の発展を揺るがず堅持し、安全をおろそかにせず堅持し、両者が互いに依拠し、どちらもゆるがせにしないことである。國際社會は原子力の平和利用の成果を共に享受すると同時に、核テロ対策を含む普遍的な安全と持続的な発展を実現する必要がある。