宇宙育種の新品種、日常生活に浸透

清明節(jié)（先祖を祭る中國(guó)の伝統(tǒng)的な祭日、今年は4月4日）前に種まきを終えた後、江西省遂川県碧洲鎮(zhèn)の農(nóng)家の王頭生さんは時(shí)々田んぼに來(lái)て、「宇宙ハス」の成長(zhǎng)具合を確認(rèn)している。人民日?qǐng)?bào)が伝えた。

王さんは、「宇宙を旅したハスの実は本當(dāng)に違うんだ。1ムー（約6.7アール）當(dāng)たり生産量が倍増し、新鮮で甘い食感だ。1ムー當(dāng)たり生産量は500kgで、粗利は6000元（1元は約21.2円）。本當(dāng)に生活を豊かにしてくれるハスだ」と述べた。

王さんが言う「宇宙を旅したハスの実」とは、宇宙育種の成果「太空蓮36號(hào)」のことだ。現(xiàn)在の普及面積は133萬(wàn)ヘクタール以上で、中國(guó)全土のハクレン栽培面積の80％以上を占める。

中國(guó)農(nóng)業(yè)科學(xué)院作物科學(xué)研究所黨委書(shū)記を務(wù)める國(guó)家宇宙育種工學(xué)首席科學(xué)者の劉錄祥氏は、「宇宙育種は種子を再利用宇宙船に乗せて宇宙に送り込み、宇宙放射線、微小重力、高真空などの特殊環(huán)境を利用し種子の遺伝子変異を引き起こす。種子が地上に戻った後、遺伝可能な優(yōu)良?jí)洚悿蜻x択し、優(yōu)良?高生産量?多耐性の植物新品種の育成に用いる」と説明した。

1987年8月、中國(guó)の9基目となる再利用衛(wèi)星が初めて稲や唐辛子などの種子を載せ、中國(guó)の農(nóng)作物種子の宇宙旅行を開(kāi)始した。中國(guó)は現(xiàn)在までに3000回以上の宇宙育種搭載実験を行い、260以上の主食穀物審査?認(rèn)定品種を育成した。野菜、果物、植物、花の新品種は100に上る。食糧生産量が年間で200萬(wàn)トン以上増え、1000億元以上の経済効果を直接もたらした。

「野菜の里」と呼ばれる山東省壽光市の中國(guó)國(guó)際野菜科學(xué)技術(shù)博覧會(huì)10號(hào)館の宇宙育種展示エリアでは、トマト、ナス、唐辛子などの野菜が順調(diào)に育っている。同館の責(zé)任者である馬尊娟氏は、「ここでは13の新品種が展示されている。いずれも宇宙育種成果の代表で、高い生産量、優(yōu)良、早熟、強(qiáng)い耐病性などの利點(diǎn)を持つ」と説明した。

山東省平度市明村鎮(zhèn)大黃埠村黨支部書(shū)記の呉仁傑氏は、「宇宙トマトは現(xiàn)在、第5世代以上の栽培となった。市民は今年の夏に味わうことができる。これらのトマトは色が濃く、相対的に大ぶりだ。村では今年、宇宙トマトを0.33ヘクタール植えた。すくすく育っており、大ぶりで、生産量が多い上、非常に甘い。専門(mén)家の検査によると、含まれるリコピンは普通のトマトの4?6倍だ」と述べた。

原産地が北米地域のクランベリーは今や黒竜江省の特産品になっている。獨(dú)自の知的財(cái)産権を持つクランベリーの新品種を育成するため、黒竜江省撫遠(yuǎn)市のクランベリーの種子は、有人宇宙船「神舟」に2回搭乗した。こぶしより大きなパプリカ、大きく甘いイチゴ……。宇宙の種が撒かれ、発芽し、実となり、人々の食卓を彩り、人々の味覚を豊かなものにしている。（編集YF）

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2024年4月15日