複數(shù)の圧力に直面している日本経済

日本政府はこのほど、2022年4月から23年3月までの2022年度の國(guó)內(nèi)総生産（GDP）成長(zhǎng)率予測(cè)を1月の3.2％から2％に引き下げた。また23年4月から始まる23年度のGDP成長(zhǎng)率予測(cè)を1.1％とした。全體として見(jiàn)ると、日本経済は脆弱性と変動(dòng)性が大幅に高まり、複數(shù)の圧力に直面している。それは主に次の4點(diǎn)に表れている。

第1に、マクロ経済情勢(shì)が安定を欠いている。日本はエネルギーの輸入依存度が高く、輸入型インフレと外需の不安定さが経済の下方圧力を増大させた。今年第1四半期（1-3月）には、日本のGDP実質(zhì)成長(zhǎng)率は年率換算でマイナス0.5％となり、再びマイナス成長(zhǎng)に陥った。今後しばらくの間、日本経済が安定した回復(fù)軌道に乗れるかどうかには大きな不確実性がある。

第2に、貿(mào)易赤字が拡大し、経常収支が悪化した。エネルギー価格の上昇に円安が加わって、日本では製品の輸入価格が大幅に上昇した。今年上半期には、各月の輸入価格の前年同期比成長(zhǎng)率が平均で30％を超え、うち4-6月は40％を超えた。今年6月現(xiàn)在、日本の対外貿(mào)易が11ヶ月連続の赤字となった。上半期の貿(mào)易赤字は累計(jì)7兆9千億円に達(dá)し、比較可能なデータが取得できるようになって以來(lái)の最高を更新した。ここ數(shù)年、日本は主に投資収益により貿(mào)易赤字を補(bǔ)ってきた。貿(mào)易赤字の拡大により、5月の國(guó)際収支の経常収支の利益はわずかしかなく、同92.3％減少した。「日本経済はこれから経常収支と貿(mào)易収支の『ダブル赤字』局面を迎える可能性がある」と分析する経済學(xué)者が少なくない。

第3に、大幅な円安に連動(dòng)して株式、外貨、債券の3市場(chǎng)が動(dòng)揺し、大規(guī)模緩和の金融政策のマイナス効果が現(xiàn)れた。円レートは3月初めに1ドル115円前後だったのが、一時(shí)は139円まで値下がりし、1998年以來(lái)の最安値を更新した。急速な円安に伴って、日本の株と債券は投げ売りされる圧力が高まり、6月には海外の投資家による日本國(guó)債の売卻規(guī)模は過(guò)去最高に達(dá)した。これと同時(shí)に、日本銀行（中央銀行）は國(guó)債を無(wú)制限に買い入れてイールドカーブを維持し、超緩和政策を守り抜こうとしている。現(xiàn)在、日銀の國(guó)債保有比率は50％を超えて、過(guò)去最高に達(dá)している。円安の連鎖反応が、これから金融市場(chǎng)の不安定さ、物価上昇、企業(yè)の利益減少など一連の影響をもたらす可能性がある。

第4に、物価上昇が民生に影響している。データを見(jiàn)ると、今年4-6月には、日本の生鮮食品を除くコア消費(fèi)者物価指數(shù)（コアCPI）は3ヶ月連続で上昇幅が２％を超え、7年ぶりの最高水準(zhǔn)に達(dá)した。物価の持続的上昇と同時(shí)に、個(gè)人の収入の伸びが鈍化し、収入が減少した人もいる。今年4月の手取り所得は前年同期比で1.7％減少し、5月は1.8％減少して、2ヶ月連続の減少となった。これが低迷気味だった個(gè)人消費(fèi)への打撃になり、さらには経済回復(fù)にも影響を與えた。

複數(shù)の圧力に直面して、日本の財(cái)政政策と金融政策は互いに足を引っ張り合い、金融政策は進(jìn)退窮まる狀況に陥った。ここ數(shù)年、日本政府は大規(guī)模な経済活性化プランをたびたび打ち出し、基本的に財(cái)政支出によって経済を下支えしようとしてきたが、これは政府債務(wù)を絶えず拡大することになった。今年3月末現(xiàn)在、日本の普通國(guó)債殘高は1004兆円に達(dá)し、國(guó)及び地方の長(zhǎng)期債務(wù)殘高は1223兆円に達(dá)した。22年度予算の中で、國(guó)債費(fèi)（國(guó)債の償還や利子の返済など）が歳出に占める割合は22.6％にもなる。超低金利の下でなければ、國(guó)債の利子の支払いが相対的に安定した水準(zhǔn)を維持することはできず、同時(shí)に消費(fèi)と投資の回復(fù)には緩和基調(diào)の金融環(huán)境が必要だ。そのため複數(shù)の國(guó)の中央銀行が相次いで金融引き締め政策を打ち出してインフレを抑制し、円安も一連のマイナス影響をもたらす中で、日銀は財(cái)政赤字の抑制、債務(wù)危機(jī)の回避、経済回復(fù)の促進(jìn)など複數(shù)の政策的目的により、引き締め政策に転換することが難しい狀態(tài)にある。

バブル経済が崩壊して以來(lái)、日本政府は一貫して経済構(gòu)造改革の推進(jìn)に期待を寄せてきた。しかし日本経済は外部への依存度が極めて高く、少子高齢化などの問(wèn)題もあって多くの成長(zhǎng)のボトルネックに直面している。構(gòu)造改革が根本的な原因に切り込むことができなければ、真の効果を上げることは難しい。日米関係において、日本は米國(guó)と平等な経済的権利を勝ち取ることも難しい。最近日本が打ち出した経済政策「新しい資本主義」の実際の効果はまだ様子を見(jiàn)る必要がある。（文：楊伯江?中國(guó)社會(huì)科學(xué)院日本研究所所長(zhǎng)、李清如?同所副研究員）（編集KS）

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2022年8月4日