シュロの葉の化石、チベット高原隆起の歴史を1000萬年遅らせる

今から約2500萬年前の大きなシュロの葉の化石が見つかり、青蔵高原（チベット高原）隆起の歴史に新たな証拠をもたらした。これは中國科學(xué)院第2回青蔵高原総合科學(xué)観測の研究で新たに得られた重要な成果であり、このほど國際的な學(xué)術(shù)誌「Science Advances」に掲載された。科技日報が伝えた。

中國科學(xué)院シーサンパンナ熱帯植物園古生態(tài)研究チームの蘇濤研究員、周浙昆研究員が率いる研究チームは、青蔵高原中部の倫坡拉盆地にある今から約2500萬年前の地層から、この大きなシュロの葉の化石を見つけた。蘇氏は「葉脈が非常にはっきりしており、葉柄が非常に長く、標(biāo)本全體の長さが1メートルに達(dá)している。これは青蔵高原地區(qū)で見つかっている、最も若いシュロの化石の記録だ」と話した。

周氏によると、現(xiàn)在世界で生育しているシュロは2500種以上で、主に世界の熱帯地域に分布しており、亜熱帯地域で生育しているのは一部に過ぎない。青蔵高原中部のような標(biāo)高が高い場所では生育できない。

研究者は古代気候模型を使い13種の地形のシーンをシミュレートした。その結(jié)果、2500萬年前にチベット中部にシュロが生育していた標(biāo)高は2300メートル未満で、生育していた地形は東から西に向かう峽谷であった可能性が高い。峽谷の両側(cè)は標(biāo)高4000メートル前後の高山。この峽谷は約2300萬年前から徐々に消滅し、隆起し、現(xiàn)在の高原になったという。今回の発見は、青蔵高原中部の隆起の歴史を少なくとも約1000萬年遅らせたことになり、青蔵高原の地形の形成と変化に新たな化石の証拠を提供している。研究者らは現(xiàn)在、體系的な研究活動を展開しており、青蔵高原生物多様性の変化の歴史、古代の環(huán)境変化の謎を解き明かそうとしている。

新たに発見された大きなシュロの化石は、地質(zhì)時代の青蔵高原の生物多様性が現(xiàn)在よりもはるかに高いことを示している。これは高原の隆起に伴う環(huán)境の変化によるものだからこそ、多くの種がこの地域で徐々に失われていった。（編集YF）

「人民網(wǎng)日本語版」2019年3月18日