習近平総書記は第19回黨大會報告で「中國の特色ある社會主義は新時代に入り、中國の主な社會的矛盾は人民の日に日に増大する素晴らしい生活への需要と、不均衡で不十分な発展との間にある矛盾へとすでに変化している」と強調すると同時に、「中國社會の主な矛盾の変化が、中國の社會主義の置かれる歴史段階に対するわれわれの判斷を変えることはない。われわれが今も、かつ長期間社會主義初級段階にあるという基本的國情に変わりはなく、世界最大の発展途上國であるという中國の國際的地位に変わりはない」と指摘した。(文:胡鞍鋼?清華大學國情研究院院長、王洪川?同補助研究員。人民日報掲載)
社會の主な矛盾の変化は全局に関わる重大な歴史的変化であり、次の10點に具體的に現れる。(1)発展が遅れていた狀態から次第に中所得國へと変化を遂げている(2)人民全體の発展能力?発展水準が高まり続ける(3)総人口に占める貧困層の割合が下降し続け、最終的に貧困が根絶される(4)貧困狀態から衣食の満ち足りた狀態へ、小康(ややゆとりのある)水準から小康社會へ、さらに人民全體の共同富裕へと、人民の生活水準が高まり続ける(5)伝統的農業國から工業化?情報化?都市化?現代化の実現へと変わる(6)農業人口が大きな割合を占め、主に手工業労働に依存する狀態から、非農業人口が多數を占め、現代農業と現代サービス業が主導する世界最大の工業國へと徐々に変わる(7)地域の発展格差が拡大から段階的縮小へ(8)非識字者が大きな割合を占め、科學技術教育が後れた狀態から、世界の教育大國?科學技術革新國へと徐々に変わる(9)人と自然の生態格差が拡大の続く狀態から、縮小を始める(10)世界の先進水準との格差が縮小し続け、奮闘目標「2つの百年」達成のためにより高い基礎を固める――。
だが、社會主義初級段階という中國の基本的國情に変わりはなく、発展の不均衡?不十分のいくつかの突出した問題も解決されていない。今日の中國は天地を覆すような変化が起きたが、まだ社會主義初級段階を出ていない。これは、社會生産能力は水準が全體的に著しく高まり、多くの面で世界の前列に並んだが、社會サービス能力、科學技術革新能力、文化生産能力、生態生産能力は発展が不均衡?不十分なためだ。これはすでに、日増しに高まる素晴らしい生活への13億余りの人民のニーズを満たすうえで主要な制約要因となっている。これは、新時代の中國の特色ある社會主義は依然として、発展が遅れていた要因からさらに抜け出し、常に社會生産能力を解き放ち、発展させ続ける必要があり、そうして初めて社會主義現代化を全面的に実現できることを示している。
第18回黨大會以降、中國は國際的地位をかつてないほど高め、國際社會の中心に近づき続けてきたが、最大の発展途上國であるという國際的地位は変わっていない。これは次の理由による。中國は経済規模ではすでに世界2位だが、1人當たりGDPは依然として世界90位だ。労働生産率は依然として米國と相當大きな開きがある。人口が多く、1人當たり資源量が少なく、生態基礎が薄弱という基本的國情のため、発展を強く制約する條件に変わりがない。高齢化と少子化、エネルギー供給の制約といった新たな、重大な試練にも直面している。
つまり、「1つの変化と2つの不変」は、中國が世界の大國から世界の強國へと変わるうえでの國情の基礎だ。中國は社會の主な矛盾に変化が生じたからこそ、質の高い発展、革新的発展へと方向を変え、人民の多様なニーズを満たし、全面的現代化の実現を促進する。依然として社會主義初級段階にあるからこそ、中國の発展は世界に多大なチャンスをもたらし、総合國力と國際的影響力の持続的高まりを実現することができる。また、依然として世界最大の発展途上國であるからこそ、途上國との団結?協力を強化し、全世界的範囲で南北の公平な発展、均衡ある発展を積極的に後押しし、途上國が現代化へ向かう道を拡大しなければならない。世界の発展途上國と後発開発途上國が発展して初めて、中國は一層の発展を得ることができる。世界の発展途上國が繁栄して初めて、中國は一層の繁栄を得られる。世界の発展途上國が豊かになって初めて、中國は一層豊かになることができる。(編集NA)
「人民網日本語版」2017年10月27日
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