中國の楊潔チ國務委員が先日訪米し、ケリー國務長官ら米高官と會談した。11月のオバマ大統(tǒng)領訪中を前に、中米雙方が鳴り物入りで準備作業(yè)を行っているのは明らかだ。米國務省幹部は楊國務委員とケリー國務長官の會談について、「かつてない具體的」対話であり、一連の問題について「率直」に話を交わしたと述べた。(文:蘇暁暉?中國國際問題研究院國際戦略研究所副所長。人民日報海外版コラム「望海樓」掲載)
「率直」というのは意味深長な表現(xiàn)だといえる。表面的に見ると、これはネガティブな評価だ。外交辭令において「率直」とは、雙方間に大きな溝があることを意味するからだ。
中米関係は確かに複雑な試練に直面している。米國は中國の発展に疑念や懸念を抱き、中國の向かう方向の「規(guī)範化」を試みている。アジア太平洋地域では「リバランス」戦略を加速し、軍事力配備を強化し、同盟國を抱き込み、TPP交渉を推進し、主導権維持に盡力している。また、中國側の理にかなった訴えに対してとやかく言っている。米側は領土主権を守る中國の正當な行動を非難し、日本、フィリピン、ベトナムの対中挑発を公然と支持している。米側はサイバーセキュリティをいわれなき非難を繰り返す口実としている。また、ウクライナや朝鮮の問題における中國の立場を公然と批判している。
だが、中米は摩擦の解決が困難でも、太平を裝い、問題を覆い隠す必要はない。中米間の「率直」は、まさに両國関係の発展と進歩を反映している。本質的に見て、経済発展モデル、國の政治體制、社會イデオロギーなどの面で中米間には差異がある。中國は臺頭する大國、米國は守成する大國であり、両國間の摩擦をなくそうとするのは不可能だ。こうした中、意思疎通を通じて相互信頼を促進し、溝を管理?コントロールすることがことのほか重要となる。
現(xiàn)在を見ると、中米は相互に対して「率直」にする拠り所を持つ。両國は共に両國関係を強く重視している。中國の國力と國際的影響力が高まり続けるのに伴い、米側は自國の戦略の成敗および発展に「中國要因」が重要な影響を與えていることを認識するにいたった。中國新指導部も両國関係の良好な発展を促すべく盡力している。中米は軍事交流などの分野で有益な試みを行っている。両國関係の大局の安定が、雙方に本當の考えを表明する機會を與えている。互いをより良く理解すること、特に相手國の譲れぬ一線に対する認識を強化することで、誤った判斷を効果的に避け、両大國間の衝突発生リスクを引き下げることができる。