日本の総務省がこのほど発表した2014年版の「情報通信白書」によると、14年3月末現在、日本のスマートフォン保有率は53.5%にとどまり、シンガポールの93.1%、韓國の88.7%、英國の80%、フランスの71.6%、米國の69.6%を大きく下回った。人民日報が伝えた。
歐州や中國とは異なり、日本では攜帯電話の製造を電気通信キャリアが主導している。キャリアは端末ハードウエア、ソフトウエア、アプリケーションプラットフォームの規(guī)格を制定し、自社のブランドを樹立し、自社の販売ルートで販売する。これは日本の攜帯電話メーカーをキャリアの代理加工部門に踏みとどまらせる原因であり、メーカーのイノベーション能力を制限する要因でもある。
日本の通信キャリアは利用者を囲い込むため、SIMロック(特定キャリアのSIMカードしか利用できないよう制限する機能)を搭載した販売モデルを採用する。キャリアは無料で端末をプレゼントする代わりに、利用者と2年間の通信回線利用契約を結び、各種プランの料金を徴収する中でコストを回収する方法を取る。利用者が契約期間內に別のキャリアに乗り換えたり、契約をうち切ったりする場合は、高額の違約金を支払うことになり、それまで使っていた端末を他社のネットワークで使うことはできない。日本のモバイルネットワークは三大キャリアの獨占狀態(tài)にあるため、料金は下がらず、日本ブランドのスマートフォンは3G時代の今、世界規(guī)模での影響力をもてずにいる。
通信市場の大幅な獨占狀態(tài)を打破するため、総務省は今年7月、三大キャリアを対象に2015年からSIMロック解除の義務化をうち出し、利用者が自分の保有する端末でどこのキャリアを利用するかを自由に選べるようにするとした。三大キャリアは最終的にこの政策に同意し、利用者は回線契約を結んでいない端末を持ってネットワークを自由に選ぶ権利を手に入れることになった。この政策が実施されれば、日本の移動通信規(guī)格と國際基準との融合が進み、市場競爭が活発になる。業(yè)界では、日本は將來、「安価なスマートフォンの時代」を迎え、端末市場が再編されるとの見方が広がる。
日本ではスマートフォン利用者は収入の高くない若年層が多いため、安価なスマートフォン市場の見通しは明るいといえる。統計によると、安価なスマートフォンが日本のスマートフォン市場に占めるシェアは1%に過ぎないが、契約者數は過去1年間で2.2倍増加した。日本政府の目標は19年までにスマートフォン保有率を70%に引き上げることで、安価な中國ブランド製品の強みは明らかだ。家電量販店?ビックカメラ新宿店の店員の橫田さんによると、キャンペーン中の華為社製のスマートフォンはわずか8700円で、ローエンド製品の人気ランキングで2位になった。1位の韓國ブランド製品は2萬9800円で、価格面では華為に大きな強みがあるという。
「日本経済新聞」の記事によると、中國の攜帯電話は「安かろう悪かろう」ではない。中國勢は今、世界のスマートフォン価格の値下げトレンドを牽引している。発展途上國でスマートフォンが普及するのにともない、安価な中國ブランド製品は世界市場でシェアを拡大させているという。
だが現時點では、中國ブランドのスマートフォンは日本ではまだ主流ではない。攜帯電話産業(yè)の評論家?山根康宏さんは、「華為は先を爭うようにしてミドルエンド?ローエンド価格のスマートフォン數機種を市場に投入し、その他の有名メーカーも日本市場に期待を寄せる。8月29日には、日本第2位の通信キャリア?KDDIが安価なスマートフォンを製造する會社を設立すると発表した。これまで高品質?高価格であることが優(yōu)位につながっていた日本市場で、中國製品が高品質?低価格を武器に新たな境地を切り開くには、しばらく時間が必要だ」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年9月9日